2025-35589 - 知財ポータルサイト『IP Force』 (2025)

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2025035589

(43)【公開日】2025-03-14

(54)【発明の名称】除草剤組成物及び雑草防除方法

(51)【国際特許分類】

A01N 43/54 20060101AFI20250307BHJP

A01N 47/06 20060101ALI20250307BHJP

A01P 13/00 20060101ALI20250307BHJP

A01N 25/02 20060101ALI20250307BHJP

【FI】

A01N43/54 F

A01N47/06 B

A01P13/00

A01N25/02

【審査請求】未請求

【請求項の数】6

【出願形態】OL

(21)【出願番号】P 2023142720

(22)【出願日】2023-09-04

(71)【出願人】

【識別番号】000002093

【氏名又は名称】住友化学株式会社

(72)【発明者】

【氏名】定 由直

【テーマコード(参考)】

4H011

【Fターム(参考)】

4H011AB01

4H011BA06

4H011BB09

4H011BB12

4H011DA13

4H011DC05

4H011DE15

4H011DF04

(57)【要約】

【課題】雑草に対する優れた防除効果を有する除草剤組成物及び雑草防除方法を提供する。
【解決手段】エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを含む除草剤組成物であって、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとの重量比が1:1から1:10の範囲である除草剤組成物。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】

【請求項1】

エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを含む除草剤組成物であって、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとの重量比が1:1から1:10の範囲である除草剤組成物。

【請求項2】

エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとの重量比がおよそ1:5である請求項1に記載の除草剤組成物。

【請求項3】

少なくとも1種の有機溶媒を含む請求項1に記載の除草剤組成物。

【請求項4】

エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを、一緒にまたは任意の順序で別々に施用する工程を含み、エピリフェナシルの施用量が15~40g/haの範囲であり、メトプロキシビシクロンの施用量が40~150g/haの範囲である雑草防除方法。

【請求項5】

エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを農作物畑に施用する請求項4に記載の雑草防除方法。

【請求項6】

農作物畑がダイズ畑である請求項5に記載の雑草防除方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、除草剤組成物及び雑草防除方法に関する。

【背景技術】

【0002】

現在、雑草の防除を目的として多数の除草剤が使用されており、例えば、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンが知られている(特許文献1~2参照)。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】米国特許第6537948号

【特許文献2】国際公開第2015/197468号

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

本発明は、雑草に対する優れた防除効果を有する除草剤組成物及び雑草防除方法を提供することを課題とする。

【課題を解決するための手段】

【0005】

本発明者らは、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを併用することにより、雑草に対して優れた防除効果が発揮されることを見出した。
本発明は、以下の態様を含む。

【0006】

[1] エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを含む除草剤組成物であって、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとの重量比が1:1から1:10の範囲である除草剤組成物。
[2] エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとの重量比がおよそ1:5である[1]に記載の除草剤組成物。
[3] 少なくとも1種の有機溶媒を含む[1]に記載の除草剤組成物。
[4] エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを、一緒にまたは任意の順序で別々に施用する工程を含み、エピリフェナシルの施用量が15~40g/haの範囲であり、メトプロキシビシクロンの施用量が40~150g/haの範囲である雑草防除方法。
[5] エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを農作物畑に施用する[4]に記載の雑草防除方法。
[6] 農作物畑がダイズ畑である[5]に記載の雑草防除方法。

【発明の効果】

【0007】

本発明により、高い効果で雑草を防除することが可能になる。

【発明を実施するための形態】

【0008】

本発明の除草剤組成物(以下、本発明組成物と記す)は、エピリフェナシルと、メトプロキシビシクロンとを含む。

【0009】

エピリフェナシルは公知の化合物であり、米国特許第6537948号明細書に記載の方法などの公知の方法で製造することができる。

【0010】

メトプロキシビシクロン(CAS登録番号:1848207-89-5)は下記式(I)で示される公知の化合物であり、国際公開第2015/197468号明細書に記載の方法などの公知の方法で製造することができる。
式(I)

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【0011】

本発明組成物は、通常、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとが、固体担体または液体担体と混合され、必要に応じて界面活性剤等の製剤用補助剤が添加されて調製された製剤である。かかる製剤の好ましい剤型は、水性懸濁製剤(suspension concentrate)、油系懸濁製剤(oil dispersion)、可湿粉剤(wettable powder)、顆粒水和剤(water dispersible granule)、粒剤(granule)、水系エマルション(emulsion, oil-in-water)、油系エマルション(emulsion, water-in-oil)、及び乳剤(emulsifiable concentrate)である。さらに好ましい剤型は乳剤である。
本発明組成物における、エピリフェナシルの含有量は、通常0.01から80重量%、好ましくは0.1から50重量%の範囲である。本発明組成物における、エピリフェナシルの含有量の具体的な例としては、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、20重量%、30重量%、及び40重量%が挙げられる。
本発明組成物における、メトプロキシビシクロンの含有量は、通常0.01から80重量%、好ましくは0.1から50重量%の範囲である。本発明組成物における、メトプロキシビシクロンの含有量の具体的な例としては、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、12重量%、14重量%、16重量%、18重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、及び45重量%が挙げられる。
本発明組成物における、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとの合計含有量は、通常0.01から99重量%、好ましくは1から80重量%の範囲である。本発明組成物における、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとの合計含有量の具体的な例としては、2重量%、4重量%、5重量%、8重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、及び90重量%が挙げられる。

【0012】

本発明組成物におけるエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとの重量比は、通常1:1から1:10の範囲である。本発明組成物におけるエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとの重量比の具体的な例としては、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、及び1:10が挙げられる。
上記重量比は「およそ」と表現することもできる。「およそ」とはプラスマイナス10%を意味し、たとえばおよそ1:5とは1:4.5~1:5.5を意味する。「およそ」は、上記重量比のみならず、散布液量や施用量などの本明細書中に記載のいずれの数値についても同じ意味で使用することができる。

【0013】

本発明組成物は、液体担体として有機溶媒を含有していてもよい。本発明組成物に使用し得る有機溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、1-ヘキセン、シクロヘキサン、オクタン、イソオクタン、1-ヘプテン、d-リモネン、ピネン、ヘキサデカン等)、芳香族炭化水素(アルキルベンゼン(トルエン、キシレン、イソプロピルベンゼン、p-ジエチルベンゼン等)、アルキルベンゼンの誘導体、アルキルナフタレン、アルキルナフタレンの誘導体、テトラヒドロナフタレン等)、塩素化炭化水素(モノクロロエチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、1,2-ジクロロプロパン等)、ケトン類(シクロヘキサノン、アセトン、2-ヘプタノン、イソホロン、メシチルオキシド、メチルイソアミルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ジアセトンアルコール、メチルシクロヘキサノン等)、エステル類(脂肪酸エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソボルニル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、ラウリン酸メチル、アジピン酸ジブチル、クエン酸トリブチル、フタル酸ジブチル等)、乳酸エステル(乳酸エチル、乳酸プロピル等)、炭酸エステル(炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジエチル、炭酸ジブチル等)、エステル化ポリオール類(グリセロールアセテート、グリコールアセテート、グリセリンモノアセテート、グリセリンジアセテート、グリセリントリアセテート、ジエチレングリコールアビエテート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールモノメチルエステル等)、ラクトン(γ-ブチルラクトン等))、エーテル類(1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル等)、アミド類(N-オクチル-カプロラクタム、N-ドデシル-カプロラクタム、N,N-ジメチルホルムアミド、脂肪酸ジメチルアミド(N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルデカンアミド、N,N-ジメチルオクタンアミド等)、アルキルピロリドン(N-メチルピロリドン、N-オクチル-ピロリドン、N-ドデシル-ピロリドン等)、ラクタム(α-ラクタム、β-ラクタム、γ-ラクタム、δ-ラクタム等))、アミン類(オクチルアミン、オクチルアミン酢酸塩、オレイルアミン、ジエタノールアミン、ラウリルアミン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール等)、ヘキシレングリコール、シクロヘキサノール、フェノール、ベンジルアルコール、メトキシプロパノール(1-メトキシ-2-プロパノール)、テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、エチレングルコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリエチレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン等)、鉱物油類(ナフサ、石油エーテル、灯油、ディーゼル油、パラフィン、オレフィン等)、動植物由来の油類、植物由来の油類(パーム油、ナタネ油、ヒマシ油、ココナッツ油、大豆油及びその誘導体等)、動物由来の油類(イワシ油、サンマ油、鯨油及びその誘導体等)、ジメチルスルホキシド、シリコーンオイル、アセトニトリル、プロパネニトリル、酸無水物(無水酢酸など)、リン酸トリエチル、オレイン酸、プロピオン酸、乳酸、キシレンスルホン酸が挙げられる。

【0014】

本発明組成物が有機溶媒を含有する場合、本発明組成物に含まれる有機溶媒の合計含有量は、通常10から90重量%である。本発明組成物における有機溶媒の具体的な含有量としては、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、及び80重量%が挙げられる。この場合、エピリフェナシル及びメトプロキシビシクロンの一方または双方が溶媒に溶解していることが好ましい。

【0015】

本発明組成物は、雑草を防除するために用いられる。本発明組成物の使用方法は、後述する本発明の雑草の防除方法に準ずる。本発明組成物は、広範囲の雑草に対し、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとをそれぞれ単独で用いたときの除草効果から想定されるよりも相乗的な除草効果を発揮し、通常の耕起栽培、不耕起栽培が行われる農作物畑及び野菜畑、樹園地並びに非農耕地において、効果的に広範囲の雑草を防除することができ、有用植物に対し問題となるような薬害を生じない。

【0016】

本発明組成物はさらに他の農薬活性成分、例えば、殺虫剤、殺線虫剤及び殺菌剤を含んでいてもよい。かかる殺虫剤、殺線虫剤及び殺菌剤としては、ネオニコチノイド系化合物、ジアミド系化合物、カーバメート系化合物、有機リン系化合物、生物系殺線虫剤及びその他の殺虫剤、並びにアゾール系化合物、ストロビルリン系化合物、メタラキシル系化合物、SDHI化合物、その他の殺菌剤及び植物生長制御剤が挙げられる。

【0017】

本発明の雑草の防除方法(以下、本発明方法と記す)は、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを、一緒にまたは任意の順序で別々に施用する工程(以下、施用工程と記す)を有する。施用工程は、農作物畑、野菜畑、樹園地または非農耕地で行われ、施用工程において、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとは、雑草が発生しているまたは発生する場所に施用される。エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを一緒に施用する場合、本発明組成物を用いてもよいし、エピリフェナシルを含む組成物とメトプロキシビシクロンを含む組成物とを組み合わせて用いてもよい。エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを別々に施用する場合、エピリフェナシルを含む組成物を施用し、次いでメトプロキシビシクロンを含む組成物を施用するか、逆の順序でこれらを施用する。
エピリフェナシルを含む組成物及びメトプロキシビシクロンを含む組成物は、通常、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとが、それぞれ固体担体及び液体担体等の担体と混合され、必要に応じて界面活性剤等の製剤用補助剤が添加されて調製された製剤である。

【0018】

エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを施用する方法としては、例えば、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを土壌に散布する方法(土壌処理)及び発生した雑草に散布する方法(茎葉処理)が挙げられる。土壌処理及び茎葉処理は、通常、本発明組成物と水とを混合して得られる散布液を、散布機を用いて土壌や雑草へ散布することにより行われる。散布液量は、通常、50から1000L/haの範囲であり、例えば、100から500L/haまたは140から300L/haの範囲であってもよい。エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを別々に散布する場合、本発明組成物を散布する方法に準じてエピリフェナシルを含む組成物とメトプロキシビシクロンを含む組成物とをそれぞれを散布する。

【0019】

本発明方法におけるエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとの施用量は、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとの合計量として、通常、1から10000g/haの範囲であり、例えば、2から5000g/haまたは5から2000g/haの範囲であってもよい。

【0020】

本発明方法におけるエピリフェナシルの施用量は、通常、15~40g/haの範囲、好ましくは、20~33g/haの範囲である。エピリフェナシルの具体的な施用量としては、例えば、17、22、25、30、及び35g/haが挙げられる。

【0021】

本発明方法におけるメトプロキシビシクロンの施用量は、通常、40~150g/haの範囲、好ましくは、80~120g/haの範囲である。メトプロキシビシクロンの具体的な施用量としては、例えば、50、60、70、90、100、110、130、及び140g/haが挙げられる。

【0022】

本発明方法におけるエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとの重量比は、通常1:1から1:10の範囲である。本発明方法におけるエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとの重量比の具体的な例としては、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、及び1:10が挙げられる。

【0023】

本発明方法において散布される散布液は、アジュバントを含んでいてもよい。
アジュバントの種類は特に限定されず、Agri-Dex、MSO等のオイル系アジュバント(パラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族炭化水素等の鉱物油または植物油(ダイズ油やナタネ油)をエステル化したMethylated Seed Oil)が散布液に含まれる場合、散布液中のアジュバント濃度は、0.25%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%または6%(volume/volume)である。Induce等のノニオン系アジュバント(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、アルキルアリールアルコキシレートまたはアルキルアリールポリオキシアルキレングリコール)が散布液に含まれる場合、散布液中のアジュバント濃度は、0.05%、0.1%、0.25%または0.5%(volume/volume)である。それ以外のアジュバントとしては、例えば、グラミンS等のアニオン系(置換スルホン酸塩)、Genamin T 200BM等のカチオン系(ポリオキシエチレンアミン)、Silwet L77等の有機シリコーン系が挙げられる。本発明方法において散布される散布液は、Intact(ポリエチレングリコール)等のドリフト軽減剤をさらに含んでいてもよい。

【0024】

本発明方法において調製される散布液のpHや硬度は特に限定されないが、pHは通常5から9の範囲であり、硬度は通常アメリカ硬度で0から500ppmの範囲である。
エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを施用する時間帯は特に限定されないが、通常午前5時から午後9時の間であり、施用する場所における光量子束密度は通常10から2500マイクロモル/平米/秒の範囲であり、施用する場所における気温は通常セ氏0から35度の範囲であり、施用する場所における風速は通常3MPH以下である。
エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを施用する際の散布圧は特に限定されないが、通常30から120PSIの範囲であり、好ましくは40~80PSIの範囲である。

【0025】

本発明方法において施用工程が行われる農作物畑としては、ピーナッツ畑、ダイズ(無限伸育型、有限伸育型、半有限伸育型)畑、トウモロコシ(馬歯種、硬粒種、軟粒種、爆裂種、糯種、甘味種、フィールドコーン)畑、コムギ(パンコムギ(硬質、軟質、中質、赤コムギ、白コムギ)、マカロニコムギ、スペルトコムギ、クラブコムギ、それぞれの秋播き型、春播き型)畑、オオムギ(二条オオムギ(=ビールムギ)、六条オオムギ、ハダカムギ、もち麦、それぞれの秋播き型、春播き型)畑等の食用作物畑、ソルガム畑、エンバク畑等の飼料作物畑、ワタ(アップランド種、ピマ種)畑、ナタネ畑、カノーラ(秋播き型、春播き型)畑等の工芸作物畑、サトウキビ畑、サトウダイコン等の糖料作物畑を挙げることができる。その中でも、ダイズ畑が好ましい。

【0026】

本発明方法において施用工程が行われる野菜畑としては、ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)を栽培する畑、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等)を栽培する畑、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)を栽培する畑、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)を栽培する畑、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス等)を栽培する畑、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)を栽培する畑、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)を栽培する畑、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル、ラベンダー等)を栽培する畑、イチゴ畑、サツマイモ畑、ヤマノイモ畑、サトイモ畑等を挙げることができる。

【0027】

本発明方法において施用工程が行われる樹園地としては、果樹園、茶園、桑園、コーヒー園、バナナ園、ヤシ園、花木園、花木畑、苗木畑、養樹場、林地、庭園等を挙げることができる。果樹としては、仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブドウ、ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、カキ、オリーブ、ビワ等を挙げることができる。

【0028】

本発明方法において施用工程が行われる非農耕地としては、運動場、空き地、線路端、公園、駐車場、道路端、河川敷、送電線下、宅地、工場敷地等を挙げることができる。

【0029】

本発明方法において施用工程が行われる農作物畑等で栽培される作物は、一般的に作物として栽培される品種の植物であれば特に限定されない。

【0030】

前記した品種の植物とは、自然交配で作出しうる植物、突然変異により発生しうる植物、F1ハイブリッド植物、トランスジェニック植物(遺伝子組換え植物とも言う)であってもよい。これらの植物は、一般に、除草剤に対する耐性の付与、害虫に対する毒性物質の蓄積、病害に対する感性抑制、収量ポテンシャルの増加、生物的及び非生物的ストレス因子に対する抵抗性の向上、物質の蓄積、保存性や加工性の向上等の特性を有する。

【0031】

F1ハイブリッド植物とは、2つの異なった系統の品種を交配して得られる一代雑種であり、一般に、両親のどちらよりも優れた形質を持つ雑種強勢の特性を有する植物である。トランスジェニック植物とは、微生物等の他の生物から外来遺伝子を導入することにより得られ、自然環境下における交雑育種、突然変異誘発または自然組換えによっては容易に取得することが出来ないような特性を有する植物である。

【0032】

上記の植物を作出するための技術としては、例えば、従来型の品種改良技術;遺伝子組換え技術;ゲノム育種技術;新育種技術(new breeding techniques);ゲノム編集技術が挙げられる。従来型の品種改良技術とは、すなわち突然変異や交配により望ましい性質を有する植物を得る技術である。遺伝子組換え技術とは、ある生物(例えば、微生物)から目的とする遺伝子(DNA)を取り出し、別のターゲット生物のゲノムに導入することで、その生物に新しい性質を付与する技術、及び植物に存在する他の遺伝子をサイレントすることによって、新しいまたは改良された特性を付与するアンチセンス技術またはRNA干渉技術である。ゲノム育種技術とは、ゲノム情報を用いて育種を効率化するための技術であり、DNAマーカー(ゲノムマーカーまたは遺伝子マーカーとも呼ぶ)育種技術及びゲノミックセレクションを含む。例えば、DNAマーカー育種は、特定の有用形質遺伝子のゲノム上の存在位置の目印となるDNA配列であるDNAマーカーを用いて、多数の交配後代から目的の有用形質遺伝子を持つ後代を選抜する方法である。交配後代を幼植物の時にDNAマーカーを用いて解析することで、育種に要する時間を効果的に短縮することができる特徴を持つ。
また、ゲノミックセレクションは、事前に入手した表現型とゲノム情報から予測式を作成し、予測式とゲノム情報から表現型の評価を行わずに特性を予測する手法であり、育種の効率化に寄与しうる技術である。新育種技術(new breeding techniques)とは、分子生物学的な手法を組み合わせた品種改良(育種)技術の総称である。例えば、シスジェネシス/イントラジェネシス、オリゴヌクレオチド指向型突然変異導入、RNA依存性DNAメチル化、ゲノム編集、GM台木または穂木への接ぎ木、逆育種、アグロインフィルトレーション、種子生産技術(Seed Production Technology, SPT)等の技術がある。ゲノム編集技術とは、配列特異的に遺伝情報を変換する技術であり、塩基配列の欠失、アミノ酸配列の置換、外来遺伝子の導入等が可能である。例えば、そのツールとして、配列特異的なDNA切断が可能なジンクフィンガーヌクレアーゼ(Zinc-Finger、ZFN)、ターレン(TALEN)、クリスパー・キャスナイン(CRISPR/Cas9)、クリスパー・シーピーエフ1(CRISPR/Cpf1)、メガヌクレアーゼ(Meganuclease)や、前述のツールを改変して作成されたCAS9ニッカーゼやTarget-AID等の配列特異的なゲノム修飾技術がある。

【0033】

前記した植物としては、例えば、国際アグリバイオ事業団(INTERNATINAL SERVICE for the ACQUISITION of AGRI-BIOTECH APPLICATIONS, ISAAA)の電子情報サイト中(http://www.isaaa.org/)の遺伝子組換え作物の登録データベース(GM APPROVAL DATABASE)に収載された植物が挙げられる。より具体的には、除草剤耐性植物、害虫抵抗性植物、病害耐性植物、生産物(例えば、デンプン、アミノ酸、脂肪酸等)の品質(例えば、含有量増減あるいは組成の変化)改変植物、稔性形質改変植物、非生物的ストレス耐性植物、または、生長や収量に関する形質の改変植物がある。

【0034】

遺伝子組換え技術により除草剤耐性を付与された植物には、イソキサフルトール、メソトリオン等の4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(以後HPPDと略する)阻害剤、イマゼタピルを含むイミダゾリノン系除草剤及びチフェンスルフロンメチルを含むスルホニルウレア系除草剤等のアセト乳酸合成酵素(以後ALSと略する)阻害剤、グリホサート等の5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸合成酵素(以後EPSPSと略する)阻害剤、グルホシネート等のグルタミン合成酵素阻害剤、2,4-D、ジカンバ等のオーキシン型除草剤、ブロモキシニルを含むオキシニル系除草剤、フルミオキサジン等のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(以後PPOと略する)阻害剤に対する耐性が遺伝子組換え技術により付与された植物も含まれる。好ましい除草剤耐性トランスジェニック植物は、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク等の穀物類、カノーラ、ソルガム、ダイズ、イネ、ナタネ、テンサイ、サトウキビ、グレープ、レンズマネ、ヒマワリ、アルファルファ、仁果類、核果類、コーヒー、チャ、ストロベリー、シバ、トマト、ポテト、キュウリ、レタス等の野菜類、より好ましくは、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク等の穀物類、ダイズ、イネ、Vine、トマト、ポテト、仁果類である。

【0035】

以下に、具体的な除草剤耐性植物について示す。
グリホサート除草剤耐性植物;アグロバクテリウム・トメファシエンスCP4株(Agrobacterium tumefaciens strain CP4)由来のグリホサート耐性型EPSPS遺伝子(CP4 epsps)、バチルス・リケニフォミス(Bacillus licheniformis)由来のグリホサート代謝酵素(グリホサートN-アセチルトランスフェアーゼ)遺伝子をシャッフリング技術によって代謝活性を強化したグリホサート代謝酵素遺伝子(gat4601、gat4621)、オクロバクテリウムアンスロピLBAA株(Ochrobacterum anthropi strain LBAA)由来のグリホサート代謝酵素(グリホサートオキシダーゼ遺伝子、goxv247)、または、トウモロコシ由来のグリホサート耐性変異を有するEPSPS遺伝子(mepsps、2mepsps)を1つ以上導入することにより得られる。主な植物は、アルファルファ(Medicago sativa)、アルゼンチンカノーラ(Brassica napus)、コットン(Gossypium hirsutum L.)、クリーピングベントグラス(Agrostis stolonifera)、トウモロコシ(Zea mays L.)、ポリッシュカノーラ(Brassica rapa)、ポテト(Solanum tuberosum L.)、ダイズ(Glycine max L.)、テンサイ(Beta vulgaris)、コムギ(Triticum aestivum)が挙げられる。いくつかのグリホサート耐性のトランスジェニック植物は市販されている。例えば、アグロバクテリウム菌由来のグリホサート耐性型EPSPSを発現する遺伝子組換え植物は「Roundup Ready(登録商標)」を含む商標名で、シャッフリング技術によって代謝活性を強化したバチルス菌由来のグリホサート代謝酵素を発現する遺伝子組換え植物は「Optimum(登録商標)GAT(商標)」、「Optimum(登録商標)Gly canola」等の商標名で、トウモロコシ由来のグリホサート耐性変異を有するEPSPSを発現する遺伝子組換え植物は「GlyTol(商標)」の商標名で販売されている。

【0036】

グルホシネート除草剤耐性植物;ストレプトマイセス・ヒグロスコピクス(Streptomyces hygroscopicus)由来のグルホシネート代謝酵素であるホスフィノスリシン N-アセチルトランスフェラーゼ(Phosphinothricin N-acetyltransferase、PAT)遺伝子(bar)、ストレプトマイセス・ビリドクロモゲネス(Streptomyes viridochromogenes)由来のグルホシネート代謝酵素であるホスフィノトリシンN-アセチルトランスフェラーゼ(PAT)酵素遺伝子(pat)、または、ストレプトマイセス・ビリドクロモゲネスTu494株(Streptomyes viridochromogenes strain Tu494)由来の合成されたpat遺伝子(pat syn)を1つ以上導入することにより得られる。主な植物は、アルゼンチンカノーラ(Brassica napus)、チコリ(Cichorium intybus)、コットン(Gossypium hirsutum L.)、トウモロコシ(Zea mays L.)、ポリッシュカノーラ(Brassica rapa)、イネ(Oryza sativa L.)、ダイズ(Glycine max L.)、テンサイ(Beta vulgaris)が挙げられる。いくつかのグルホシネート耐性の遺伝子組換え植物は市販されている。ストレプトマイセス・ヒグロスコピクス由来のグルホシネート代謝酵素(bar)及びストレプトマイセス・ビリドクロモゲネス(Streptomyes viridochromogenes)由来の遺伝子組換え植物は「LibertyLink(商標)」、「InVigor(商標)」、「WideStrike(商標)」を含む商標名で販売されている。

【0037】

オキシニル系除草剤(例えばブロモキシニル)耐性植物;クレブシエラ・ニューモニエ亜種オゼネ(Klebsiella pneumoniae subsp. Ozaenae)由来のオキシニル系除草剤(例えばブロモキシニル)代謝酵素であるニトリラーゼ遺伝子(bxn)を導入したオキシニル系除草剤、例えばブロモキシニル耐性のトランスジェニック植物がある。主な植物は、アルゼンチンカノーラ(Brassica napus)、コットン(Gossypium hirsutum L.)、タバコ(Nicotiana tabacum L.)が挙げられ、「Navigator(商標)canola」、または、「BXN(商標)」を含む商標名で販売されている。

【0038】

ALS阻害剤耐性植物;選抜マーカーとしてタバコ(Nicotiana tabacum)由来のALS阻害剤耐性のALS遺伝子(surB)を導入したカーネーション(Dianthus caryophyllus)「Moondust(商標)」、「Moonshadow(商標)」、「Moonshade(商標)」、「Moonlite(商標)」、「Moonaqua(商標)」、「Moonvista(商標)」、「Moonique(商標)」、「Moonpearl(商標)」、「Moonberry(商標)」、「Moonvelvet(商標)」;シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)由来のALS阻害剤耐性のALS遺伝子(als)を導入したアマ(Linum usitatissumum L.)「CDC Triffid Flax」;トウモロコシ由来のALS阻害剤耐性のALS遺伝子(zm-hra)を導入したスルホニルウレア系及びイミダゾリノン系除草剤に耐性を有するトウモロコシ(Zea mays L.)「Optimum(商標) GAT(商標)」;シロイヌナズナ由来のALS阻害剤耐性型ALS遺伝子(csr1-2)を導入したイミダゾリノン系除草剤に耐性を有するダイズ「Cultivance」;ダイズ(Glycine max)由来のALS阻害剤耐性型ALS遺伝子(gm-hra)を導入したスルホニルウレア系除草剤に耐性を有するダイズ「Treus(商標)」、「Plenish(商標)」及び「Optimum GAT(商標)」の商標名で販売されている。また、タバコ(Nicotiana tabacum cv. Xanthi)由来のALS阻害剤耐性のALS遺伝子(S4-HrA)を導入したコットンがある。

【0039】

HPPD阻害剤耐性植物;エンバク(Avena sativa)由来のメソトリオンに耐性のHPPD遺伝子(avhppd-03)及びストレプトマイセス・ビリドクロモゲネス(Streptomyes viridochromogenes)由来のグルホシネート代謝酵素であるホスフィノトリシンN-アセチルトランスフェラーゼ(PAT)酵素遺伝子(pat)を共に導入したダイズが「Herbicide-tolerant Soybean line」の商標名で販売されている。

【0040】

2,4-D耐性植物;スフィンゴビウム・ハービシドボランス(Sphingobium herbicidovorans)由来の2,4-D代謝酵素であるアリールオキシアルカノエートジオキゲナーゼ(aryloxyalkanoate dioxygenase)遺伝子(aad-1)を導入したトウモロコシが、Enlist(商標)Maizeの商標名で販売されている。デルフチア・アシドボランス(Delftia acidovorans)由来の2,4-D代謝酵素であるアリールオキシアルカノエートジオキゲナーゼ遺伝子(aad-12)を導入したダイズ及びコットンがあり、「Enlist(商標)Soybean」の商標名で販売されている。

【0041】

ジカンバ耐性植物;ステノトロホモナス・マルトフィリアDI-6株(Stenotrophomonas maltophilia strain DI-6)由来のジカンバ代謝酵素であるジカンバモノオキシゲナーゼ(Dicamba monooxygenase)遺伝子(dmo)を導入したダイズ、コットンがある。上記遺伝子と同時に、アグロバクテリウム・トメファシエンス菌CP4株(Agrobacterium tumefaciens strain CP4)由来のグリホサート耐性型EPSPS遺伝子(CP4 epsps)を導入したダイズ(Glycine max L.)が「Genuity (登録商標)Roundup Ready(商標) 2 Xtend(商標)」として販売されている。

【0042】

PPO阻害剤耐性植物としては、PPO阻害剤との親和性が低下したPPOの産生能が遺伝子組換え技術によって付与された植物、及びシトクロムP450モノオキシゲナーゼによるPPO阻害剤の解毒・分解能が遺伝子組換え技術によって付与された植物が挙げられる。また、PPO阻害剤との親和性が低下したPPOの産生能と、シトクロムP450モノオキシゲナーゼによるPPO阻害剤の解毒・分解能との両方が、遺伝子組換え技術によって付与された作物であってもよい。これらの耐性植物は、例えば、WO2011085221、WO2012080975、WO2014030090、WO2015022640、WO2015022636、WO2015022639、WO2015092706、WO2016203377、WO2017198859、WO2018019860、WO2018022777、WO2017112589、WO2017087672、WO2017039969、WO2017023778、WO2018022777、WO2019118726等の特許文献や、非特許文献(Pest Management Science, 61, 2005, 277-285)に記載されている。

【0043】

除草剤耐性が付与された市販されているトランスジェニック植物の例としては、グリホサート耐性を有するトウモロコシ「Roundup Ready Corn」、「Roundup Ready 2」、「Agrisure GT」、「Agrisure GT/CB/LL」、「Agrisure GT/RW」、「Agrisure 3000GT」、「YieldGard VT Rootworm/RR2」及び「YieldGard VT Triple」;グリホサート耐性を有するダイズ「Roundup Ready Soybean」及び「Optimum GAT」;グリホサート耐性を有するコットン「Roundup Ready Cootton」、「Roundup Ready Flex」;グリホサート耐性を有するカノーラ「Roundup Ready Canola」;グリホサート耐性を有するアルファルファ「Roundup Ready Alfalfa」、グリホサート耐性を有するイネ「Roundup Ready Rice」;グルホシネート耐性を有するトウモロコシ「Roundup Ready 2」、「Liberty Link」、「Herculex 1」、「Herculex RW」、「Herculex Xtra」、「Agrisure GT/CB/LL」、「Agrisure CB/LL/RW」及び「Bt10」;グルホシネート耐性を有するコットン「FiberMax Liberty Link」;グルホシネート耐性を有するイネ「Liberty Link Rice」;グルホシネート耐性を有するカノーラ「in Vigor」;ブロモキシニル耐性を有するコットン「BXN」;ブロモキシニル耐性を有するカノーラ「Navigator」、「Compass」が挙げられる。除草剤に関して改変されたさらなる植物が広く知られており、例としてはグリホサート耐性を有するアルファルファ、リンゴ、オオムギ、ユーカリ、アマ、ブドウ、ヒラマメ、ナタネ、エンドウマメ、ジャガイモ、イネ、テンサイ、ヒマワリ、タバコ、トマト、シバクサ及びコムギ(例えば、US5188642、US4940835、US5633435、US5804425、US5627061を参照);ジカンバ耐性を有するマメ、コットン、ダイズ、エンドウマメ、ジャガイモ、ヒマワリ、トマト、タバコ、トウモロコシ、ソルガム及びサトウキビ(例えば、WO2008051633、US7105724及びUS5670454を参照);グルホシネート耐性を有するダイズ、テンサイ、ジャガイモ、トマト及びタバコ(例えば、US6376754、US5646024、US5561236を参照);2,4-D耐性を有するコットン、ペッパー類、リンゴ、トマト、ヒマワリ、タバコ、ジャガイモ、トウモロコシ、キュウリ、コムギ、ダイズ、ソルガム及び雑穀類(例えば、US6153401, US6100446、WO2005107437、US5608147及び US5670454を参照);ALS阻害剤(例えば、スルホニルウレア系除草剤、及びイミダゾリノン系除草剤)耐性を有するカノーラ、トウモロコシ、ヒエ(millet)、オオムギ、コットン、カラシナ、レタス、レンズマメ、メロン、アワ、オートムギ、ナタ、ジャガイモ、イネ、ライムギ、ソルガム、ダイズ、テンサイ、ヒマワリ、タバコ、トマト及びコムギ(例えば、US5013659、WO2006060634、US4761373、US5304732、US6211438、US6211439及びUS6222100を参照)が挙げられ、特にイミダゾリノン系除草剤に耐性を有するイネが知られており、アセト乳酸合成遺伝子(acetohydroxyacid synthase gene)に特定の変異(例えば、S653N、S654K、A122T、S653(At)N, S654(At)K, A122(At)Tを有するイネ等が知られている(例えば、US2003/0217381、WO200520673参照)。HPPD阻害剤(例えば、イソキサフルトール等のイソキサゾール系除草剤、スルコトリオン及びメソトリオン等のトリケトン系除草剤、ピラゾリネート等のピラゾール系除草剤及びイソキサフルトールの分解産物のジケトニトリル)に対して耐性があるオオムギ、サトウキビ、イネ、トウモロコシ、タバコ、ダイズ、コットン、ナタネ、テンサイ、コムギ及びジャガイモも知られている(例えば、WO2004/055191、WO199638567、WO1997049816及びUS6791014を参照)。

【0044】

古典的、または、ゲノム育種技術により除草剤耐性が付与された植物としては、例えば、イマゼタピル及びイマザモックス等のイミダゾリノン系ALS阻害剤耐性を有するイネ「Clearfield Rice」、コムギ「Clearfield Wheat」、ヒマワリ「Clearfield Sunflower」、レンズマメ「Clearfield lentils」及びカノーラ「Clearfield canola」(BASF製品);チフェンスルフロンメチル等のスルホニルウレア系ALS阻害剤耐性を有するダイズ「STS soybean」;トリオンオキシム系、アリールオキシフェノキシプロピオン酸系除草剤等のアセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤耐性を有するセトキシジム耐性トウモロコシ「SRcorn」、「Poast Protected(登録商標) corn」;トリベヌロン等のスルホニルウレア系除草剤耐性を有するヒマワリ「ExpressSun(登録商標)」;キザロホップ等のアセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤耐性を有するイネ「Provisia(商標)Rice」;PSII阻害剤耐性を有するカノーラ「Triazine Tolerant Canola」が挙げられる。

【0045】

ゲノム編集技術により除草剤耐性が付与された植物として、迅速な品種開発技術(Rapid Trait Development System 、RTDS(登録商標))を用いたスルホニルウレア系除草剤耐性を有するカノーラ「SU Canola(登録商標)」が挙げられる。RTDS(登録商標)とは、ゲノム編集技術のオリゴヌクレオチド指向型突然変異導入に該当し、Gene Repair Oligonucleotide(GRON)すなわち、DNAとRNAのキメラオリゴヌクレオチドを介して、植物中のDNAを切断することなく変異を導入することが出来る技術である。また、ジンクフィンガーヌクレアーゼを用いて内因性遺伝子IPK1を欠失させることで除草剤耐性及びフィチン酸含有量が低減したトウモロコシ(例えば、Nature 459, 437-441 2009年参照);クリスパー・キャスナインを用いてコメに除草剤耐性を付与した例等が挙げられる(例えば、Rice, 7, 5 2014年参照)。

【0046】

新育種技術により除草剤耐性を付与する技術として、接ぎ木を利用した品種改良技術が挙げられ、GM台木が有する性質を穂木に与える例として、グリホサート耐性を有するRoundup Ready(登録商標)ダイズを台木として用いて、非トランスジェニックダイズ穂木にグリホサート耐性を付与した例が挙げられる(Weed Technology 27:412-416 2013年参照)。

【0047】

前記した植物には、遺伝子組換え技術、古典的育種技術、ゲノム育種技術、新育種技術またはゲノム編集技術等を用い、先に述べたような非生物的ストレス耐性、病害耐性、除草剤耐性、害虫抵抗性、生長や収量形質、栄養取り込み、生産物の品質、稔性形質等を2種以上付与された系統、及び同類または異なる性質を有する植物同士を掛け合わせることにより親系統が有する2種以上の性質が付与された系統も含まれる。

【0048】

2つ以上の除草剤に耐性を付与された市販の植物としては、例えば、グリホサート及びグルホシネートに耐性を有するコットン「GlyTol(商標)LibertyLink(商標)」、「GlyTol(商標) LibertyLink(商標)」;グリホサート耐性及びグルホシネート耐性を有するトウモロコシ「Roundup Ready(商標)LibertyLink(商標)Maize」;グルホシネート耐性及び2,4-D耐性を有するダイズ「Enlist(商標)Soybean」;グリホサート耐性及びジカンバ耐性を有するダイズ「Genuity(登録商標)Roundup Ready(商標)2 Xtend(商標)」;グリホサート耐性及びALS阻害剤耐性を有するトウモロコシ及びダイズ「OptimumGAT(商標)」;グリホサート、グルホシネート及び2,4-Dの3つの除草剤に耐性である遺伝子組換えダイズ「Enlist E3(商標)」及び「Enlist(商標)Roundup Ready 2 Yield(登録商標);グリホサート、2,4-D及びアリールオキシフェノキシプロピオン酸系(FOPs)除草剤に耐性である遺伝子組換えトウモロコシ「Enlist(商標)Roundup Ready(登録商標)Corn 2」;グリホサート、2,4-D及びアリールオキシフェノキシプロピオン酸系(FOPs)除草剤に耐性である遺伝子組換えトウモロコシ「Enlist(商標)Roundup Ready(登録商標)Corn 2」;ジカンバ、グリホサート及びグルホシネートに耐性である遺伝子組換えコットン「Bollgard II(登録商標)XtendFlex(商標)Cotton」;グリホサート、グルホシネート及び2,4-Dの3つの除草剤に耐性である遺伝子組換えコットン「Enlist(商標)Cotton」が挙げられる。その他に、グルホシネートと2,4-D耐性を有するコットン、グルホシネートとジカンバの両方に耐性を有するコットン、グリホサートと2,4-Dの両方に耐性を有するトウモロコシ、グリホサートとHPPD除草剤の両方に耐性を示すダイズ、グリホサート、グルホシネート、2,4-D、アリールオキシフェノキシプロピオン酸系(FOPs)除草剤、シクロヘキサジオン系(DIMs)系除草剤に耐性である遺伝子組換えトウモロコシも開発されている。

【0049】

除草剤耐性及び害虫抵抗性を付与された市販の植物としては、例えば、グリホサート耐性とコーンボーラーに対する抵抗性とを有するトウモロコシ「YieldGard Roundup Ready」及び「YieldGard Roundup Ready 2」;グルホシネート耐性とコーンボーラー抵抗性とを有するトウモロコシ「Agrisure CB/LL」;グリホサート耐性とコーンルートワーム抵抗性とを有するトウモロコシ「Yield Gard VT Root worm/RR2」;グリホサート耐性とコーンルートワーム及びコーンボーラーに対する抵抗性とを有するトウモロコシ「Yield Gard VT Triple」;グルホシネート耐性と鱗翅目害虫抵抗性(Cry1F)(例えば、ウエスタンビーンカットワーム、コーンボーラー、ブラックカットワーム及びフォールアーミーワームに対する抵抗性)とを有するトウモロコシ「Herculex I」;グリホサート耐性とコーンルートワーム抵抗性とを有するトウモロコシ「YieldGard Corn Rootworm/Roundup Ready 2」;グルホシネート耐性と鞘翅目害虫抵抗性(Cry3A)(例えば、ウエスタンコーンルートワーム、ノーザンコーンルートワーム及びメキシカンコーンルートワームに対する抵抗性)とを有するトウモロコシ「Agrisure GT/RW」;グルホシネート耐性と鞘翅目害虫抵抗性(Cry34/35Ab1)(例えば、ウエスタンコーンルートワーム、ノーザンコーンルートワーム及びメキシカンコーンルートワームに対する抵抗性)とを有するトウモロコシ「Herculex RW」;グリホサート耐性とコーンルートワーム抵抗性とを有するトウモロコシ「Yield Gard VT Root worm/RR2」;ジカンバ耐性、グリホサート耐性、グルホシネート耐性及び鱗翅目害虫抵抗性(例えば、ボールワーム類及びタバコバッドワーム、アーミーワーム類等に対する抵抗性)を有するコットン「Bollgard 3(登録商標)XtendFlex(登録商標)」が挙げられる。

【0050】

本発明方法においてエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを施用する際に使用されるノズルは、フラットファンノズルであってもよいし、ドリフト軽減ノズルであってもよい。フラットファンノズルとしては、Teejet社のTeejt110シリーズ、XR Teejet110シリーズ等がある。これらを通常の散布圧、一般的には30から120PSIの範囲で使用するときにノズルから吐出される液滴の体積中位径は通常430ミクロン未満である。ドリフト軽減ノズルとは、フラットファンノズルと比較してドリフトが軽減されているノズルであり、エアインダクション(air induction)ノズルまたはプレオリフィス(pre-orifice)ノズルと呼ばれているノズルである。ドリフト軽減ノズルから吐出される液滴の体積中位径は通常430ミクロン以上である。

【0051】

エアインダクションノズルは、ノズルの入口(薬液導入部)と出口(薬液吐出部)との間に空気導入部を有し、薬液に空気を混入させることにより空気で満たされた液滴を形成するノズルである。エアインダクションノズルとしては、Green Leaf Technology社のTDXL11003-D、TDXL11004-D1、TDXL11005-D1、TDXL11006-D、Teejet社のTTI110025、TTI11003、TTI11004、TTI11005、TTI11006、TTI11008、Pentair社のULD120-041、ULD120-051、ULD120-061等が挙げられる。特に好ましいエアインダクションノズルは、TTI11004である。

【0052】

プレオリフィスノズルは、ノズルの入口(薬液導入部)が、計量口(metering orifice)となっており、これがノズル内に流入する流量を制限し、ノズル内の圧力を低下させることによって大きな液滴を形成するノズルである。これによれば吐出時に導入前と比べおよそ圧力が半減する。プレオリフィスノズルとしては、Wilger社のDR110-10、UR110-05、UR110-06、UR110-08、UR110-10、Teejet社の1/4TTJ08 Turf Jet、1/4TTJ04 Turf Jet等が挙げられる。

【0053】

本発明方法においてエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを施用する際に使用される散布機は、ドリフト軽減技術(drift reduction technology: DRT)として、米国環境保護庁(EPA)の認定を有するフード付き散布機であってもよい。DRT認定を有するフード付き散布機としては、Willmar Fabrication LLC社のREDBALL 642、REDBALL 642E、REDBALL SPK645、REDBALL 645、REDBALL 645T、REDBALL SP645、REDBALL ATV642等が挙げられる。

【0054】

農作物畑等の作物の栽培地で本発明方法が行われる場合、作物の播種前にエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを施用してもよく、作物の播種と同時、及び/または播種後に、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを施用してもよい。
すなわち、エピリフェナシル及びメトプロキシビシクロンの施用回数としては、例えば、作物の播種前、播種と同時、もしくは播種後の1回、播種前を除く2回、播種と同時を除く2回、もしくは播種後を除く2回、及び、播種前、播種と同時、及び播種後の全てのタイミングにおいて施用する3回が挙げられる。

【0055】

作物の播種前にエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを施用する場合は、通常播種50日前から播種直前まで、好ましくは播種30日前から播種直前まで、より好ましくは播種20日前から播種直前まで、さらに好ましくは播種10日前から播種直前までの間にエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとが施用される。
作物の播種後にエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを施用する場合は、通常播種直後から開花前まで、好ましくは播種直後から出芽前まで、または作物の本葉1から6葉期の間にエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとが施用される。
作物の播種と同時にエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを施用する場合は、播種機と散布機とが一体化した機械が用いられる。

【0056】

エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを施用する方法としては、上述した通り、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを雑草が発生する土壌に施用する土壌処理、及び、発生し、生育中の雑草に施用する茎葉処理がある。エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを生育中の雑草に施用する場合の処理は、茎葉処理兼土壌処理であり得る。施用時期は、上述の作物の生育ステージとは独立して決定することができ、例えば、作物の播種前に、生育中の雑草に茎葉処理を行ってもよいし、作物の生育中に土壌処理を行ってもよい。これらの処理は、土地に対して一様に面的な処理であってもよいし、スポット処理であってもよい。

【0057】

本発明方法において、スポット処理とは、除草剤を一様に面的処理することと相対する概念であり、雑草が生育している場所、または、雑草が発生する場所に選択的に除草剤を施用することを意味する。「場所に施用する」とは、雑草が生育中であれば雑草または雑草が生育している土壌に施用することを意味し、雑草がまだ発生していない場合は、将来雑草が発生するであろうと予測される場所の土壌に施用することを意味する。飛散や蒸散等によって雑草が発生していない場所または将来も雑草が発生しない場所にエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとが多少散布される場合についても、一様な面的処理でなければ、スポット処理に含まれる。また、作物のひと続きの栽培地において、雑草が生育している場所または雑草が発生する場所のすべてが選択的に処理された場合のみをスポット処理とみなすのではない。すなわち、栽培地の一部が面的処理される場合、或いは、雑草が生育している場所または雑草が発生する場所の一部が処理されない場合であっても、作物のひと続きの栽培地においてスポット処理された場所が存在すれば、スポット処理に含まれる。スポット処理は、作物をよけながら実施してもよく、また、作物の位置とは無関係に雑草の位置のみを基準に実施してもよい。

【0058】

以下にスポット処理の方法の具体例を挙げる。作物の栽培地において、散布者が歩行しながら、或いは、散布者が地上を走行する装置または飛行装置に乗って、ハンドヘルドノズルまたはロボットアームノズルを用いて目視でエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを施用することによりスポット処理を行ってもよい。また、事前に雑草が生育しているまたは発生する場所をマッピングし、マップ情報に基づいてエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとを施用することによりスポット処理を行ってもよい。マップ情報に基づく施用においては、上述の方法に加え、散布機の走行または飛行中に、ブーム上のノズルまたはロボットアームノズルを、散布機の位置情報(GPS等によって得られる)と当該マップ情報に基づき自動または手動で開閉させる等して、スポット処理を行ってもよい。当該マップ情報は有人または無人の飛行物体等で撮影した画像情報に基づいて作成してもよく、地上を歩行する観察者、地上を走行する装置に乗用する観察者、或いは飛行装置に乗った観察者が目視で作成してもよい。さらには、走行または飛行する散布機が、雑草が生育している場所または発生する場所を検知する機能を備え、リアルタイムマッピングをしながら前記ブームまたはロボットアーム等によりスポット処理を行ってもよい。かかる技術は、特許文献(例えば、WO2018001893、WO2018036909)や、非特許文献(例えば、Crop Protection 26, 270-277、Weed Technology 17, 711-717、Applied Engineering in Agriculture. 30, 143-152)に記載されている。これらの技術は、精密農業、スマート農業、またはデジタル農業等と呼ばれる新興農業の一形態であり、前記スポット処理によって発生する一様でない散布様式は、当該新興農業における用語としてVRA(Variable Rate Application)とも呼ばれる。また、走行する散布機が、生育中の雑草を検知しながらリアルタイムにスポット処理を行う技術は、「See & Spray」や「OSST (Optical Spot Spray Technology)」として知られる。

【0059】

雑草が発生する場所は、当該雑草が、過去の生育時期において植生パッチを形成していた事実に基づいて推測してもよいし、埋土種子の分布から推測してもよい。埋土種子の分布は土壌サンプリングによって調査してもよいし、リモートセンシングによって調査してもよい。

【0060】

本発明方法は、広範囲の雑草に対し、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとをそれぞれ単独で用いたときの除草効果から想定されるよりも相乗的な除草効果を発揮し、通常の耕起栽培、不耕起栽培が行われる農作物畑及び野菜畑、樹園地並びに非農耕地において、効果的に広範囲の雑草を防除することができ、有用植物に対し問題となるような薬害を生じない。

【0061】

本発明方法において、他の農薬活性成分、例えば、殺虫剤、殺線虫剤及び殺菌剤と併用してもよい。かかる殺虫剤、殺線虫剤及び殺菌剤としては、ネオニコチノイド系化合物、ジアミド系化合物、カーバメート系化合物、有機リン系化合物、生物系殺線虫剤及びその他の殺虫剤、並びにアゾール系化合物、ストロビルリン系化合物、メタラキシル系化合物、SDHI化合物、その他の殺菌剤及び植物生長制御剤が挙げられる。

【0062】

本発明組成物または本発明方法により防除し得る雑草としては、具体的には次の雑草が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イラクサ科雑草(Urticaceae):ヒメイラクサ(Urtica urens)
タデ科雑草(Polygonaceae):ソバカズラ(Polygonum convolvulus)、サナエタデ(Polygonum lapathifolium)、アメリカサナエタデ(Polygonum pensylvanicum)、ハルタデ(Polygonum persicaria)、イヌタデ(Polygonum longisetum)、ミチヤナギ(Polygonum aviculare)、ハイミチヤナギ(Polygonum arenastrum)、イタドリ(Polygonum cuspidatum)、ギシギシ(Rumex japonicus)、ナガバギシギシ(Rumex crispus)、エゾノギシギシ(Rumex obtusifolius)、スイバ(Rumex acetosa)
スベリヒユ科雑草(Portulacaceae):スベリヒユ(Portulaca oleracea)
ナデシコ科雑草(Caryophyllaceae):ハコベ(Stellaria media)、ウシハコベ(Stellaria aquatica)、ミミナグサ(Cerastium holosteoides)、オランダミミナグサ(Cerastium glomeratum)、オオツメクサ(Spergula arvensis)、マンテマ(Silene gallica)
ザクロソウ科雑草(Molluginaceae):クルマバザクロウソウ(Mollugo verticillata)
アカザ科雑草(Chenopodiaceae):シロザ(Chenopodium album)、ケアリタソウ(Chenopodium ambrosioides)、ホウキギ(Kochia scoparia)、ノハラヒジキ(Salsola kali)、アトリプレックス属(Atriplex spp.)

【0063】

ヒユ科雑草(Amaranthaceae):アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)、ホナガイヌビユ(Amaranthus viridis)、イヌビユ(Amaranthus lividus)、ハリビユ(Amaranthus spinosus)、ホナガアオゲイトウ(Amaranthus hybridus)、オオホナガアオゲイトウ(Amaranthus palmeri)、ホソアオゲイトウ(Amaranthus patulus)、ウォーターヘンプ(Amaranthus tuberculatus = Amaranthus rudis = Amaranthus tamariscinus)、アメリカビユ(Amaranthus blitoides)、ハイビユ(Amaranthus deflexus)、アマランサス クイテンシス(Amaranthus quitensis)、ナガエツルノゲイトウ(Alternanthera philoxeroides)、ツルゲイトウ(Alternanthera sessilis)、サングイナリア(Alternanthera tenella)
ケシ科雑草(Papaveraceae):ヒナゲシ(Papaver rhoeas)、ナガミヒナゲシ(Papaver dubium)、アザミゲシ(Argemone mexicana)
アブラナ科雑草(Brassicaceae):セイヨウノダイコン(Raphanus raphanistrum)、ラディッシュ(Raphanus sativus)、ノハラガラシ(Sinapis arvensis)、ナズナ(Capsella bursa-pastoris)、セイヨウカラシナ(Brassica juncea)、セイヨウアブラナ(Brassica napus)、ヒメクジラグサ(Descurainia pinnata)、スカシタゴボウ(Rorippa islandica)、キレハイヌガラシ(Rorippa sylvestris)、グンバイナズナ(Thlaspi arvense)、ミヤガラシ(Myagrum rugosum)、マメグンバイナズナ(Lepidium virginicum)、カラクサナズナ(Coronopus didymus)
フウチョウソウ科雑草(Capparaceae):クレオメ アフィニス(Cleome affinis)

【0064】

マメ科雑草(Fabaceae):クサネム(Aeschynomene indica)、ジグザグジョイントベッチ(Aeschynomene rudis)、アメリカツノクサネム(Sesbania exaltata)、エビスグサ(Cassia obtusifolia)、ハブソウ(Cassia occidentalis)、ジュズハギ(Desmodium tortuosum)、ノハラハギ(Desmodium adscendens)、イリノイヌスビトハギ(Desmodium illinoense)、シロツメクサ(Trifolium repens)、クズ(Pueraria lobata)、カラスノエンドウ(Vicia angustifolia)、タヌキコマツナギ(Indigofera hirsuta)、インディゴフェラ トルキシレンシス(Indigofera truxillensis)、野生ササゲ(Vigna sinensis)
カタバミ科雑草(Oxalidaceae):カタバミ(Oxalis corniculata)、オッタチカタバミ(Oxalis stricta)、オキザリス オキシプテラ(Oxalis oxyptera)
フウロソウ科雑草(Geraniaceae):アメリカフウロ(Geranium carolinense)、オランダフウロ(Erodium cicutarium)
トウダイグサ科雑草(Euphorbiaceae):トウダイグサ(Euphorbia helioscopia)、オオニシキソウ(Euphorbia maculata)、コニシキソウ(Euphorbia humistrata)、ハギクソウ(Euphorbia esula)、ショウジョウソウ(Euphorbia heterophylla)、ヒソップリーフサンドマット(Euphorbia brasiliensis)、エノキグサ(Acalypha australis)、トロピッククロトン(Croton glandulosus)、ロブドクロトン(Croton lobatus)、ブラジルコミカンソウ(Phyllanthus corcovadensis)、トウゴマ(Ricinus communis)

【0065】

アオイ科雑草(Malvaceae):イチビ(Abutilon theophrasti)、キンゴジカ(Sida rhombifolia)、マルバキンゴジカ(Sida cordifolia)、アメリカキンゴジカ(Sida spinosa)、シダ グラジオビ(Sida glaziovii)、シダ サンタレムネンシス(Sida santaremnensis)、ギンセンカ(Hibiscus trionum)、ニシキアオイ(Anoda cristata)、エノキアオイ(Malvastrum coromandelianum)
アカバナ科雑草(Onagraceae):チョウジタデ(Ludwigia epilobioides)、キダチグンバイ(Ludwigia octovalvis)、ヒレタゴボウ(Ludwigia decurrens)、メマツヨイグサ(Oenothera biennis)、コマツヨイグサ(Oenothera laciniata)
アオギリ科雑草(Sterculiaceae):コバンバノキ(Waltheria indica)
スミレ科雑草(Violaceae):マキバスミレ(Viola arvensis)、ワイルドパンジー(Viola tricolor)
ウリ科雑草(Cucurbitaceae):アレチウリ(Sicyos angulatus)、ワイルドキューカンバー(Echinocystis lobata)、野生ニガウリ(Momordica charantia)
ミソハギ科雑草(Lythraceae):ヒメミソハギ(Ammannia multiflora)、ナンゴクヒメミソハギ(Ammannia auriculata)、ホソバヒメミソハギ(Ammannia coccinea)、エゾミソハギ(Lythrum salicaria)、キカシグサ(Rotala indica)
ミゾハコベ科雑草(Elatinaceae):ミゾハコベ(Elatine triandra)、カリフォルニアウォーターウォート(Elatine californica)

【0066】

セリ科雑草(Apiaceae):セリ(Oenanthe javanica)、ノラニンジン(Daucus carota)、ドクニンジン(Conium maculatum)
ウコギ科雑草(Araliaceae):チドメグサ(Hydrocotyle sibthorpioides)、ブラジルチドメグサ(Hydrocotyle ranunculoides)
マツモ科雑草(Ceratophyllaceae):マツモ(Ceratophyllum demersum)
ハゴロモモ科雑草(Cabombaceae):ハゴロモモ(Cabomba caroliniana)
アリノトウグサ科雑草(Haloragaceae):オオフサモ(Myriophyllum aquaticum)、フサモ(Myriophyllum verticillatum)、ウォーターミルフォイル類(Myriophyllum spicatum、Myriophyllum heterophyllum等)
ムクロジ科雑草(Sapindaceae):フウセンカズラ(Cardiospermum halicacabum)
サクラソウ科雑草(Primulaceae):アカバナルリハコベ(Anagallis arvensis)
ガガイモ科雑草(Asclepiadaceae):オオトウワタ(Asclepias syriaca)、ハニーヴァインミルクウィード(Ampelamus albidus)
アカネ科雑草(Rubiaceae):キャッチウィードベッドストロー(Galium aparine)、ヤエムグラ(Galium spurium var. echinospermon)、ヒロハフタバムグラ(Spermacoce latifolia)、ブラジルハシカグサモドキ(Richardia brasiliensis)、ウィングドファルスボタンウィード(Borreria alata)

【0067】

ヒルガオ科雑草(Convolvulaceae):アサガオ(Ipomoea nil)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)、マルバアメリカアサガオ(Ipomoea hederacea var. integriuscula)、マメアサガオ(Ipomoea lacunosa)、ホシアサガオ(Ipomoea triloba)、ノアサガオ(Ipomoea acuminata)、ツタノハルコウ(Ipomoea hederifolia)、マルバルコウ(Ipomoea coccinea)、ルコウソウ(Ipomoea quamoclit)、イポモエア グランディフォリア(Ipomoea grandifolia)、イポモエア アリストロチアフォリア(Ipomoea aristolochiaefolia)、モミジバヒルガオ(Ipomoea cairica)、セイヨウヒルガオ(Convolvulus arvensis)、コヒルガオ(Calystegia hederacea)、ヒルガオ(Calystegia japonica)、ツタノハヒルガオ(Merremia hederacea)、ヘアリーウッドローズ(Merremia aegyptia)、ロードサイドウッドローズ(Merremia cissoides)、オキナアサガオ(Jacquemontia tamnifolia)
ムラサキ科雑草(Boraginaceae):ワスレナグサ(Myosotis arvensis)
シソ科雑草(Lamiaceae):ヒメオドリコソウ(Lamium purpureum)、ホトケノザ(Lamium amplexicaule)、タマザキメハジキ(Leonotis nepetaefolia)、ニオイニガクサ(Hyptis suaveolens)、ヒプティス ロファンタ(Hyptis lophanta)、メハジキ(Leonurus sibiricus)、ヤブチョロギ(Stachys arvensis)

【0068】

ナス科雑草(Solanaceae):ヨウシュウチョウセンアサガオ(Datura stramonium)、イヌホオズキ(Solanum nigrum)、テリミノイヌホオズキ(Solanum americanum)、アメリカイヌホオズキ(Solanum ptycanthum)、ケイヌホオズキ(Solanum sarrachoides)、トマトダマシ(Solanum rostratum)、キンギンナスビ(Solanum aculeatissimum)、ワイルドトマト(Solanum sisymbriifolium)、ワルナスビ(Solanum carolinense)、センナリホオズキ(Physalis angulata)、スムーズグランドチェリー(Physalis subglabrata)、オオセンナリ(Nicandra physalodes)
ゴマノハグサ科雑草(Scrophulariaceae):フラサバソウ(Veronica hederaefolia)、オオイヌノフグリ(Veronica persica)、タチイヌノフグリ(Veronica arvensis)、アゼナ(Lindernia procumbens)、アメリカアゼナ(Lindernia dubia)、アゼトウガラシ(Lindernia angustifolia)、ウキアゼナ(Bacopa rotundifolia)、アブノメ(Dopatrium junceum)、オオアブノメ(Gratiola japonica)
オオバコ科雑草(Plantaginaceae):オオバコ(Plantago asiatica)、ヘラオオバコ(Plantago lanceolata)、セイヨウオオバコ(Plantago major)、ミズハコベ(Callitriche palustris)

【0069】

キク科雑草(Asteraceae):オナモミ(Xanthium pensylvanicum)、オオオナモミ(Xanthium occidentale)、イガオナモミ(Xanthium italicum)、野生ヒマワリ(Helianthus annuus)、カミツレ(Matricaria chamomilla)、イヌカミツレ(Matricaria perforata)、コーンマリーゴールド(Chrysanthemum segetum)、オロシャギク(Matricaria matricarioides)、ヨモギ(Artemisia princeps)、オウシュウヨモギ(Artemisia vulgaris)、チャイニーズマグウォート(Artemisia verlotorum)、セイタカアワダチソウ(Solidago altissima)、セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)、ハキダメギク(Galinsoga ciliata)、コゴメギク(Galinsoga parviflora)、ノボロギク(Senecio vulgaris)、セネシオ ブラジリエンシス(Senecio brasiliensis)、セネシオ グリセバチ(Senecio grisebachii)、アレチノギク(Conyza bonariensis)、オオアレチノギク(Conyza smatrensis)、ヒメムカシヨモギ(Conyza canadensis)、ブタクサ(Ambrosia artemisiifolia)、クワモドキ(Ambrosia trifida)、タウコギ(Bidens tripartita)、コセンダングサ(Bidens pilosa)、アメリカセンダングサ(Bidens frondosa)、ビーデンス スバルテルナンス(Bidens subalternans)、セイヨウトゲアザミ(Cirsium arvense)、アメリカオニアザミ(Cirsium vulgare)、マリアアザミ(Silybum marianum)、マスクチッスル(Carduus nutans)、トゲチシャ(Lactuca serriola)、ノゲシ(Sonchus oleraceus)、オニノゲシ(Sonchus asper)、ビーチクリーピングオックスアイ(Wedelia glauca)、パーフォリエートブラックフット(Melampodium perfoliatum)、ウスベニニガナ(Emilia sonchifolia)、シオザキソウ(Tagetes minuta)、パラクレス(Blainvillea latifolia)、コトブキギク(Tridax procumbens)、イェルバ ポロサ(Porophyllum ruderale)、パラグアイ スターバー(Acanthospermum australe)、ブリストリー スターバー(Acanthospermum hispidum)、フウセンガズラ(Cardiospermum halicacabum)、カッコウアザミ(Ageratum conyzoides)、コモンボーンセット(Eupatorium perfoliatum)、ダンドボロギク(Erechtites hieracifolia)、アメリカンエバーラスティング(Gamochaeta spicata)、ウラジロチチコグサ(Gnaphalium spicatum)、ジャゲリア ヒトラ(Jaegeria hirta)、ゴマギク(Parthenium hysterophorus)、メナモミ(Siegesbeckia orientalis)、メリケントキンソウ(Soliva sessilis)、タカサブロウ(Eclipta prostrata)、アメリカタカサブロウ(Eclipta alba)、トキンソウ(Centipeda minima)

【0070】

オモダカ科雑草(Alismataceae):ウリカワ(Sagittaria pygmaea)、オモダカ(Sagittaria trifolia)、セイヨウオモダカ(Sagittaria sagittifolia)、タイリンオモダカ(Sagittaria montevidensis)、アギナシ(Sagittaria aginashi)、ヘラオモダカ(Alisma canaliculatum)、サジオモダカ(Alisma plantago-aquatica)
キバナオモダカ科雑草(Limnocharitaceae):キバナオモダカ(Limnocharis flava) トチカガミ科雑草(Hydrocharitaceae):フロッグビット(Limnobium spongia)、クロモ(Hydrilla verticillata)、コモンウォーターニンフ(Najas guadalupensis)
サトイモ科雑草(Araceae):ボタンウキクサ(Pistia stratiotes)
ウキクサ科雑草(Lemnaceae):アオウキクサ(Lemna aoukikusa、 Lemna paucicostata、 Lemna aequinoctialis)、ウキクサ(Spirodela polyrhiza)、ミジンコウキクサ属(Wolffia spp.)
ヒルムシロ科雑草(Potamogetonaceae):ヒルムシロ(Potamogeton distinctus)、ポンドウィード類(Potamogeton crispus、Potamogeton illinoensis、Stuckenia pectinata等)
ユリ科雑草(Liliaceae):ワイルドオニオン(Allium canadense)、ワイルドガーリック(Allium vineale)、ノビル(Allium macrostemon)
ミズアオイ科雑草(Pontederiaceae):ホテイアオイ(Eichhornia crassipes)、アメリカコナギ(Heteranthera limosa)、ミズアオイ(Monochoria korsakowii)、コナギ(Monochoria vaginalis)
ツユクサ科雑草(Commelinaceae):ツユクサ(Commelina communis)、マルバツユクサ(Commelina benghalensis)、エレクトデイフラワー(Commelina erecta)、イボクサ(Murdannia keisak)

【0071】

イネ科雑草(Poaceae):イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、タイヌビエ(Echinochloa oryzicola)、ヒメタイヌビエ(Echinochloa crus-galli var. formosensis)、レイトウォーターグラス(Echinochloa oryzoides)、コヒメビエ(Echinochloa colona)、ガルフコックスパー(Echinochloa crus-pavonis)、エノコログサ(Setaria viridis)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)、キンエノコロ(Setaria glauca)、アメリカエノコログサ(Setaria geniculata)、メヒシバ(Digitaria ciliaris)、ラージクラブグラス(Digitaria sanguinalis)、ジャマイカンクラブグラス(Digitaria horizontalis)、ススキメヒシバ(Digitaria insularis)、オヒシバ(Eleusine indica)、スズメノカタビラ(Poa annua)、オオスズメノカタビラ(Poa trivialis)、ナガハグサ(Poa pratensis)、スズメノテッポウ(Alopecurus aequalis)、ブラックグラス(Alopecurus myosuroides)、カラスムギ(Avena fatua)、セイバンモロコシ(Sorghum halepense)、シャターケーン(Sorghum vulgare)、シバムギ(Agropyron repens)、ネズミムギ(Lolium multiflorum)、ホソムギ(Lolium perenne)、ボウムギ(Lolium rigidum)、イヌムギ(Bromus catharticus)、アレチノチャヒキ(Bromus sterilis)、スズメノチャヒキ(Bromus japonicus)、カラスノチャヒキ(Bromus secalinus)、ウマノチャヒキ(Bromus tectorum)、ホソノゲムギ(Hordeum jubatum)、ヤギムギ(Aegilops cylindrica)、クサヨシ(Phalaris arundinacea)、ヒメカナリークサヨシ(Phalaris minor)、シルキーベントグラス(Apera spica-venti)、オオクサキビ(Panicum dichotomiflorum)、テキサスパニカム(Panicum texanum)、ギネアキビ(Panicum maximum)、メリケンニクキビ(Brachiaria platyphylla)、ルジグラス(Brachiaria ruziziensis)、アレクサンダーグラス(Brachiaria plantaginea)、スリナムグラス(Brachiaria decumbens)、パリセードグラス(Brachiaria brizantha)、コロンビアグラス(Brachiaria humidicola)、シンクリノイガ(Cenchrus echinatus)、ヒメクリノイガ(Cenchrus pauciflorus)、ナルコビエ(Eriochloa villosa)、ペニセタム(Pennisetum setosum)、アフリカヒゲシバ(Chloris gayana)、オヒゲシバ(Chloris virgata)、オオニワホコリ(Eragrostis pilosa)、ルビーガヤ(Rhynchelytrum repens)、タツノツメガヤ(Dactyloctenium aegyptium)、タイワンアイアシ(Ischaemum rugosum)、チゴザサ(Isachne globosa)、野生イネ(Oryza sativa)、アメリカスズメノヒエ(Paspalum notatum)、コースタルサンドパスパルム(Paspalum maritimum)、キシュウスズメノヒエ(Paspalum distichum)、キクユグラス(Pennisetum clandestinum)、ホソバチカラシバ(Pennisetum setosum)、ツノアイアシ(Rottboellia cochinchinensis)、アゼガヤ(Leptochloa chinensis)、オニアゼガヤ(Leptochloa fascicularis)、イトアゼガヤ(Leptochloa filiformis)、アマゾンスプラングルトップ(Leptochloa panicoides)、アシカキ(Leersia japonica)、サヤヌカグサ(Leersia sayanuka)、エゾノサヤヌカグサ(Leersia oryzoides)、ウキガヤ(Glyceria leptorrhiza)、ムツオレグサ(Glyceria acutiflora)、ドジョウツナギ(Glyceria maxima)、コヌカグサ(Agrostis gigantea)、ハイコヌカグサ(Agrostis stolonifera)、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、カモガヤ(Dactylis glomerata)、ムカデシバ(Eremochloa ophiuroides)、オニウシノケグサ(Festuca arundinacea)、オオウシノケグサ(Festuca rubra)、チガヤ(Imperata cylindrica)、ススキ(Miscanthus sinensis)、スイッチグラス(Panicum virgatum)、ノシバ(Zoysia japonica)

【0072】

カヤツリグサ科雑草(Cyperaceae):カヤツリグサ(Cyperus microiria)、コゴメガヤツリ(Cyperus iria)、クグガヤツリ(Cyperus compressus)、タマガヤツリ(Cyperus difformis)、ヒナガヤツリ(Cyperus flaccidus)、アゼガヤツリ(Cyperus globosus)、アオガヤツリ(Cyperus nipponicus)、キンガヤツリ(Cyperus odoratus)、ミズガヤツリ(Cyperus serotinus)、ハマスゲ(Cyperus rotundus)、キハマスゲ(Cyperus esculentus)、ヒメクグ(Kyllinga gracillima)、アイダクグ(Kyllinga brevifolia)、ヒデリコ(Fimbristylis miliacea)、テンツキ(Fimbristylis dichotoma)、マツバイ(Eleocharis acicularis)、クログワイ(Eleocharis kuroguwai)、ホタルイ(Schoenoplectiella hotarui)、イヌホタルイ(Schoenoplectiella juncoides)、タイワンヤマイ(Schoenoplectiella wallichii)、ヒメカンガレイ(Schoenoplectiella mucronatus)、カンガレイ(Schoenoplectiella triangulatus)、シズイ(Schoenoplectiella nipponicus)、サンカクイ(Schoenoplectiella triqueter)、コウキヤガラ(Bolboschoenus koshevnikovii)、ウキヤガラ(Bolboschoenus fluviatilis)
トクサ科雑草(Equisetaceae):スギナ(Equisetum arvense)、イヌスギナ(Equisetum palustre)
サンショウモ科雑草(Salviniaceae):サンショウモ(Salvinia natans)
アカウキクサ科雑草(Azollaceae):オオアカウキクサ(Azolla japonica)、アカウキクサ(Azolla pinnata)
デンジソウ科雑草(Marsileaceae):デンジソウ(Marsilea quadrifolia)
その他:糸状藻類(Pithophora、Cladophora)、蘚類、苔類、ツノゴケ類、シアノバクテリア、シダ類、永年性作物(仁果類、石果類、液果類、堅果類、カンキツ類、ホップ、ブドウ等)の吸枝(sucker)。

【0073】

上記の雑草については、種内の変異によって、特に限定されない。すなわち、特定の除草剤への感受性が低下(抵抗性を示す、とも言う)したものも本発明組成物または本発明方法により防除し得る雑草に含まれる。感受性の低下は、標的部位における突然変異(作用点変異)によるものであってもよいし、作用点変異でない要因(非作用点変異)によるものであってもよい。作用点変異は、タンパク質のアミノ酸配列に対応する核酸配列部分(open reading frame)の変異により、標的部位であるタンパク質にアミノ酸置換が生じたもの、及びプロモーター領域におけるサプレッサー配列の欠失、エンハンサー配列の増幅、または遺伝子のコピー数の増加等の変異により、標的部位のタンパク質が過剰発現しているものを含む。
非作用点変異による感受性低下の要因としては代謝増強、吸収不全、移行不全、系外排出等が挙げられる。代謝増強の要因の例としては、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ、アリールアシルアミダーゼ、エステラーゼ、グルタチオンSトランスフェラーゼといった代謝酵素の活性が高まったものが挙げられる。系外排出としてはABCトランスポーターによる液胞への輸送が挙げられる。
除草剤抵抗性雑草の例としては下記が挙げられる。
グリホサート抵抗性:
作用点変異による雑草の感受性低下の事例として、EPSPS遺伝子において以下のいずれか、または複数のアミノ酸置換を起こす変異がある雑草が挙げられる。Thr102Ile、Pro106Ser、Pro106Ala、Pro106Leu、Pro106Thr。特に、Thr102Ile及びPro106Serを併せ持つもの、ならびに、Thr102Ile及びPro106Thrを併せ持つものが挙げられる。これらの作用点変異を有するグリホサート抵抗性のオヒシバ、ネズミムギ、ボウムギ、ホソムギ、Bidens subalternans等が有効に防除される。同様に作用点変異によるグリホサート抵抗性の事例としては、EPSPS遺伝子のコピー数が増加したものがある(PNAS, 2018 115 (13) 3332-3337)。本発明により、EPSPS遺伝子のコピー数が増加したグリホサート抵抗性のオオホナガアオゲイトウ、ウォーターヘンプ、ホウキギ等が有効に防除される。非作用点変異による雑草の感受性低下の事例として、ABCトランスポーターが関与したグリホサート抵抗性のヒメムカシヨモギ、オオアレチノギク、アレチノギク等が挙げられるが、本発明によりこれらが有効に防除される。さらに非作用点変異として、アルドケト還元酵素の発現が上昇することで、グリホサートに対して感受性が低下したコヒメビエが知られる(Plant Physiology 181, 1519-1534)が、本発明により有効に防除される。また、非作用変異によるグリホサート抵抗性のススキメヒシバが知られる(Weed Biology and Management 18, 50-59)が、本発明により有効に防除される。
ALS阻害型除草剤抵抗性:
作用点変異による雑草の感受性低下の事例として、ALS遺伝子において以下のいずれか、または複数のアミノ酸置換を起こす変異がある雑草が挙げられる。Ala122Thr、Ala122Val、Ala122Tyr、Pro197Ser、Pro197His、Pro197Thr、Pro197Arg、Pro197Leu、Pro197Gln、Pro197Ala、Pro197Ile、Ala205Val、Ala205Phe、Asp376Glu、Asp376Gln、Asp376Asn、Arg377His、Trp574Leu、Trp574Gly、Trp574Met、Ser653Thr、Ser653Asn、Ser635Ile、Gly654Glu、Gly645Asp。本発明により、これらの作用点変異を有するALS阻害剤抵抗性のアオゲイトウ、ホナガアオゲイトウ、オオホナガアオゲイトウ、ウォーターヘンプ、ホウキギ等が有効に防除される。非作用点変異による雑草の感受性低下の事例として、CYPまたはGSTが関与してALS阻害剤に抵抗性となった雑草が挙げられるが、本発明によりこれらが有効に防除される。それらの例として、CYP81A10やCYP81A1v1が過剰発現したボウムギ、CYP81A12やCYP81A21が過剰発現したタイヌビエ、GSTF1やGSTU2が過剰発現したノスズメノテッポウが知られている。
ACCase阻害剤抵抗性:
作用点変異による雑草の感受性低下の事例として、ACCase遺伝子において以下のいずれか、または複数のアミノ酸置換を起こす変異がある雑草が挙げられる。Ile1781Leu、Ile1781Val,Ile1781Thr、Trp1999Cys、Trp1999Leu、Ala2004Val、Trp2027Cys、Ile2041Asn、Ile2041Val、Asp2078Gly、Asp2078Glu、Cys2088Arg、Gly2096Ala、Gly2096Ser。本発明により、これらの作用点変異を有するACCase阻害剤抵抗性雑草が有効に防除される。非作用点変異による雑草の感受性低下の事例として、CYPまたはGSTが関与してACCase阻害剤に抵抗性となった雑草が挙げられるが、本発明によりこれらが有効に防除される。それらの例として、CYP81A10やCYP81A1v1が過剰発現したボウムギ、CYP81A12やCYP81A21が過剰発現したタイヌビエ、GSTF1やGSTU2が過剰発現したノスズメノテッポウが知られている。また、Trp2027Cysによってハロキシホップメチル抵抗性となったススキメヒシバが知られる(Pesticide Biochemistry and Physiology 164, 1-6)が、本発明により有効に防除される。
PPO阻害剤抵抗性:
作用点変異による雑草の感受性低下の事例として、PPO遺伝子において以下のいずれか、または複数のアミノ酸置換を起こす変異がある雑草が挙げられ、これらの変異はカルフェントラゾンエチル、ホメサフェンやラクトフェンの抵抗性変異としてとして知られるか、抵抗性変異となると予測される。Arg128Leu、Arg128Met、Arg128Gly、Arg128His、Arg128Ala、Arg128Cys、Arg128Glu、Arg128Ile、Arg128Lys、Arg128Asn、Arg128Gln、Arg128Ser、Arg128Thr、Arg128Val、Arg128Tyr、Gly210欠損、Ala210欠損、Gly210Thr、Ala210Thr、Gly211欠損、Gly114Glu、Ser149Ile、Gly399Ala(アミノ酸番号はいずれもオオホナガアオゲイトウ(Amaranthus palmeri)のPPO2の配列で標準化)。通常、雑草のPPO遺伝子にはPPO1遺伝子とPPO2遺伝子が存在するが、前記変異はPPO1遺伝子、PPO2遺伝子のいずれにあってもよいし、双方にあってもよい。好ましくはPPO2遺伝子に変異を有する場合である。例えばArg128Metとは、128番目のアミノ酸に変異があることを意味する。ブタクサのPPO2遺伝子では、当該変異は98番目に相当し(Weed Science 60, 335-344)、Arg98Leuという表記が知られるが、このArg98は、本明細書におけるArg128と同意である。本発明の防除対象となる雑草のPPO遺伝子において、Arg128Met及びArg128Glyはオオホナガアオゲイトウで知られ(Pest Management Science 73, 1559-1563)、さらにArg128GlyはウォーターヘンプのPPO2で知られ(Pest Management Science, 2019; 75: 3235-3244)、Arg128IleとArg128LysはウォーターヘンプのPPO2で知られ(Pest Management Science, 2019; 75: 3235-3244)、Arg128HisはボウムギのPPO2でArg132Hisとして知られ(WSSA annual meeting, 2018)、Gly114Glu、Ser149Ile、及びGly399AlaはオオホナガアオゲイトウのPPO2で知られ(Frontiers in Plant Science 10, Article 568)、Ala210ThrはオヒシバのPPO1でAla212Thrとして知られる(Pest Management Science, doi: 10.1002/ps.5703)。本発明により、これらの作用点変異を有するPPO阻害剤抵抗性雑草が有効に防除されるが、防除されるPPO阻害剤抵抗性雑草はこれらに限定されない。すなわち、PPO1またはPPO2にArg128Leu、Arg128Met、Arg128Gly、Arg128His、Arg128Ala、Arg128Cys、Arg128Glu、Arg128Ile、Arg128Lys、Arg128Asn、Arg128Gln、Arg128Ser、Arg128Thr、Arg128Val、Arg128Tyr、Gly210欠損、Ala210欠損、Gly210Thr、Ala210Thr、Gly211欠損、Gly114Glu、Ser149IleまたはGly399Alaの変異を有するオオホナガアオゲイトウのみならず、例えば、同変異を有するウォーターヘンプ、同変異を有するブタクサ、同変異を有するショウジョウソウ等が有効に防除される。非作用点変異による雑草の感受性低下の事例として、CYPまたはGSTが関与してPPO阻害剤に抵抗性となったウォーターヘンプやオオホナガアオゲイトウとして、カルフェントラゾンエチルに抵抗性となったウォーターヘンプ等が知られる(PLOS ONE, doi: 10.1371/journal.pone.0215431)が、本発明によりこれらが有効に防除される。
オーキシン系除草剤抵抗性:
作用点変異の事例として、AUX/IAA遺伝子のデグロン領域においてGly-Asnを起こす変異が挙げられる。本発明により、この変異を有するホウキギ、オオホナガアオゲイトウやウォーターヘンプが有効に防除される。非作用点変異の事例として、CYPの関与が示唆されるジカンバ抵抗性ホナガアオゲイトウや、2,4-D抵抗性ウォーターヘンプが知られるが、本発明によりこれらが有効に防除される。GSTが関与する非作用点変異の場合も同様である。
HPPD阻害剤抵抗性:
非作用点変異による雑草の感受性低下の事例として、CYPまたはGSTが関与してHPPD阻害剤に抵抗性となったウォーターヘンプやオオホナガアオゲイトウ等が挙げられるが、本発明によりこれらが有効に防除される。それらの例として、CYP72A219、CYP81BやCYP81E8が過剰発現したオオホナガアオゲイトウが知られている。
光化学系II阻害剤抵抗性:
作用点変異による雑草の感受性低下の事例として、psbA遺伝子において以下のいずれかまたは複数のアミノ酸置換を起こす変異がある雑草が挙げられる。Val219Ile、Ser264Gly、Ser264Ala、Phe274Val。本発明により、これらの作用点変異を有する光化学系II阻害剤抵抗性のオオホナガアオゲイトウやウォーターヘンプが有効に防除される。非作用点変異による雑草の感受性低下の事例として、CYP、GST、またはAAAが関与して光化学系II阻害剤に抵抗性のオオホナガアオゲイトウやウォーターヘンプ等が挙げられるが、本発明によりこれらが有効に防除される。それらの例として、CYP71R4が過剰発現したボウムギが知られている。
グルタミン酸合成酵素阻害剤抵抗性:
作用点変異による雑草の感受性低下の事例として、グルタミン合成酵素遺伝子においてAsp171Asnのアミノ酸置換を起こす変異がある雑草が挙げられる。本発明により、この変異を有するグルタミン合成酵素阻害剤抵抗性のオオホナガアオゲイトウやウォーターヘンプ等が有効に防除される。非作用点変異による雑草の感受性低下の事例として、CYPまたはGSTが関与してグルホシネート抵抗性となったオオホナガアオゲイトウやウォーターヘンプ等が挙げられるが、本発明によりこれらが有効に防除される。それらの例として、CYP72A219、CYP81BやCYP81E8が過剰発現したオオホナガアオゲイトウが知られている。
抵抗性雑草が、上記の群のうち2つ以上の群(任意に選ばれる2群、任意に選ばれる3群、任意に選ばれる4群、任意に選ばれる5群、任意に選ばれる6群、任意に選ばれる7群、8群)への抵抗性を「併せ持つ」(スタックした)抵抗性雑草であっても有効に防除される。スタックした抵抗性雑草の例として、光化学系II阻害剤、HPPD阻害剤、2,4-D、PPO阻害剤、ALS阻害剤及びグリホサートのすべてに抵抗性のウォーターヘンプが知られるが、これも有効に防除される。上記のスタックは、作用点変異の組み合わせによっていても、非作用点変異の組み合わせによっていてもよく、作用変異と非作用点変異の組み合わせによっていてもよい。

【0074】

本発明組成物は、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとに加えて、さらに別の除草剤を含んでいてもよい。また、本発明方法において、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンに加えて、別の除草剤を併用してもよい。
エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとに加えて、本発明組成物に含まれていてもよい除草剤、または本発明方法においてエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンと併用してもよい除草剤としては、例えば、以下の除草剤が挙げられる。これらは有効成分としてエピリフェナシル及びメトプロキシビシクロンのみを含む本発明組成物に混用(Tank-mix)することもできる。
グリホサート(glyphosate)及びその塩(イソプロピルアンモニウム塩、アンモニウム塩、カリウム塩、グアニジン塩、ジメチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、コリン塩、BAPMA(N,N-ビス-(アミノプロピル)メチルアミン)塩)、2,4-D及びその塩またはエステル(アンモニウム塩、ブトチルエステル、2-ブトキシプロピルエステル、ブチルエステル、ジエチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、ジオールアミン塩、ドデシルアンモニウム塩、エチルエステル、2-エチルヘキシルエステル、ヘプチルアンモニウム塩、イソブチルエステル、イソクチルエステル、イソプロピルエステル、イソプロピルアンモニウム塩、リチウム塩、メプチルエステル、メチルエステル、オクチルエステル、ペンチルエステル、プロピルエステル、ナトリウム塩、テフリルエステル、テトラデシルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリス(2-ヒドロキシプロピル)アンモニウム塩、トロールアミン塩、コリン塩)、2,4-DB及びその塩またはエステル(ジメチルアンモニウム塩、イソクチルエステル、コリン塩)、ピロキサスルホン、ジカンバ及びその塩またはエステル(ジグリコールアミン塩、ジメチルアンモニウム塩、ジオールアミン塩、イソプロピルアンモニウム塩、メチルエステル、オーラミン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、トロールアミン塩、BAPMA(N,N-ビス-(アミノプロピル)メチルアミン)塩、コリン塩、TBA(テトラブチルアンモニウム)塩、TBP(テトラブチルホスホニウム)塩)、MCPA及びその塩またはエステル(ジメチルアンモニウム塩、2-エチルヘキシルエステル、イソクチルエステル、ナトリウム塩、コリン塩)、MCPB、メコプロップ(mecoprop)及びその塩またはエステル(ジメチルアンモニウム塩、ジオールアミン塩、エタジルエステル、2-エチルヘキシルエステル、イソクチルエステル、メチルエステル、カリウム塩、ナトリウム塩、トロールアミン塩、コリン塩)、メコプロップP(mecoprop-P)及びその塩またはエステル(ジメチルアンモニウム塩、2-エチルヘキシルエステル、イソブチル塩、カリウム塩、コリン塩)、ジクロプロップ(dichlorprop)及びその塩またはエステル(ブトチルエステル、ジメチルアンモニウム塩、2-エチルヘキシルエステル、イソクチルエステル、メチルエステル、カリウム塩、ナトリウム塩、コリン塩)、ジクロプロップP(dichlorprop-P)、ジクロプロップPジメチルアンモニウム塩(dichlorprop-P-dimethylammonium)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、ブロモキシニル(bromoxynil)、ブロモキシニルオクタノエート(bromoxynil-octanoate)、ジクロベニル(dichlobenil)、メチオゾリン(methiozolin)、アイオキシニル(ioxynil)、アイオキシニルオクタノエート(ioxynil-octanoate)、ジアレート(di-allate)、ブチレート(butylate)、トリアレート(tri-allate)、フェンメディファム(phenmedipham)、クロロプロファム(chlorpropham)、デスメジファム(desmedipham)、アシュラム(asulam)、フェニソファム(phenisopham)、ベンチオカーブ(benthiocarb)、モリネート(molinate)、エスプロカルブ(esprocarb)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、オルベンカルブ(orbencarb)、EPTC、ジメピペレート(dimepiperate)、スエップ(swep)、プロパクロール(propachlor)、メタザクロール(metazachlor)、アラクロール(alachlor)、アセトクロール(acetochlor)、メトラクロール(metolachlor)、S-メトラクロール(S-metolachlor)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、テニルクロール(thenylchlor)、アミノシクロピラクロール(aminocyclopyrachlor)、アミノシクロピラクロールメチル(aminocyclopyrachlor-methyl)、アミノシクロピラクロールカリウム(aminocyclopyrachlor-potassium)、
トリフルラリン(trifluralin)、ペンディメタリン(pendimethalin)、エタフルラリン(ethalfluralin)、ベンフルラリン(benfluralin)、プロジアミン(prodiamine)、シマジン(simazine)、アトラジン(atrazine)、プロパジン(propazine)、シアナジン(cyanazine)、アメトリン(ametryn)、シメトリン(simetryn)、ジメタメトリン(dimethametryn)、プロメトリン(prometryn)、インダジフラム(indaziflam)、イカフォリンメチル(icafolin-methyl)、トリアジフラム(triaziflam)、メトリブジン(metribuzin)、ヘキサジノン(hexazinone)、テルブメトン(terbumeton)、テルブチラジン(terbuthylazine)、テルブトリン(terbutryn)、トリエタジン(trietazine)、イソキサベン(isoxaben)、ジウロン(diuron)、リニュロン(linuron)、メトブロムロン(metobromuron)、メトキスロン(metoxuron)、モノリニュロン(monolinuron)、シデュロン(siduron)、フルオメツロン(fluometuron)、ジフェノクスロン(difenoxuron)、メチルダイムロン(methyl-daimuron)、イソプロツロン(isoproturon)、イソウロン(isouron)、テブチウロン(tebuthiuron)、ベンズチアズロン(benzthiazuron)、メタベンズチアズウロン(methabenzthiazuron)、プロパニル(propanil)、メフェナセット(mefenacet)、クロメプロップ(clomeprop)、ナプロアニリド(naproanilide)、ブロモブチド(bromobutide)、ダイムロン(daimuron)、クミルロン(cumyluron)、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、エトベンザニド(etobenzanid)、ベンタゾン(bentazon)、トリジファン(tridiphane)、インダノファン(indanofan)、アミトロール(amitrole)、フェンクロラゾール(fenchlorazole)、クロマゾン(clomazone)、マレイン酸ヒドラジド(maleic hydrazide)、ピリデート(pyridate)、クロリダゾン(chloridazon)、ノルフルラゾン(norflurazon)、ブロマシル(bromacil)、ターバシル(terbacil)、レナシル(lenacil)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、シンメチリン(cinmethylin)、ベンフレセート(benfuresate)、カフェンストロール(cafenstrole)、フルフェナセット(flufenacet)、ピリチオバック(pyrithiobac)、ピリチオバックナトリウム塩(pyrithiobac-sodium)、ピリミノバック(pyriminobac)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ビスピリバック(bispyribac)、ビスピリバックナトリウム塩(bispyribac-sodium)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、ピリフタリド(pyriftalid)、トリアファモン(triafamone)、フェントラザミド(fentrazamide)、ジメテナミド(dimethenamid)、ジメテナミドP(dimethenamid-P)、ACN、ジチオピル(dithiopyr)、トリクロピル(triclopyr)及びその塩またはエステル(ブトチルエステル、トリエチルアンモニウム塩)、フルロキシピル(fluroxypyr)、フルロキシピルメプチル(fluroxypyr-meptyl)、チアゾピル(thiazopyr)、アミノピラリド(aminopyralid)及びその塩(カリウム塩、トリイソプロパノールアンモニウム塩、コリン塩)、クロピラリド(clopyralid)及びその塩(オーラミン塩、カリウム塩、トリエチルアンモニウム塩、コリン塩)、ピクロラム(picloram)及びその塩(カリウム塩、トリイソプロパノールアンモニウム塩、コリン塩)、ダラポン(dalapon)、クロルチアミド(chlorthiamid)、
アミドスルフロン(amidosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、ベンスルフロン(bensulfuron)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、クロリムロン(chlorimuron)、クロリムロンエチル(chlorimuron-ethyl)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、フルピルスルフロンメチルナトリウム(flupyrsulfuron-methyl-sodium)、ホラムスルフロン(foramsulfuron)、ハロスルフロン(halosulfuron)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron-methyl)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、メソスルフロン(mesosulfuron)、メソスルフロンメチル(mesosulfuron-methyl)、メタゾスルフロン(metazosulfuron)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、オルトスルファムロン(orthosulfamuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、プリミスルフロン(primisulfuron)、プリミスルフロンメチル(primisulfuron-methyl)、プロピリスルフロン(propyrisulfuron)、ピラゾスルフロン(pyrazosulfuron)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)、リムスルフロン(rimsulfuron)、スルホメツロン(sulfometuron)、スルホメツロンメチル(sulfometuron-methyl)、スルホスルフロン(sulfosulfuron)、トリフロキシスルフロンナトリウム塩(trifloxysulfuron-sodium)、トリフロキシスルフロン(trifloxysulfuron)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、エタメトスルフロン(ethametsulfuron)、エタメトスルフロンメチル(ethametsulfuron-methyl)、ヨードスルフロン(iodosulfuron)、ヨードスルフロンメチルナトリウム(iodosulfuron-methyl-sodium)、イオフェンスルフロン(iofensulfuron)、イオフェンスルフロンナトリウム(iofensulfuron-sodium)、メトスルフロン(metsulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、プロスルフロン(prosulfuron)、チフェンスルフロン(thifensulfuron)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベニュロン(tribenuron)、トリベニュロンメチル(tribenuron-methyl)、トリフルスルフロン(triflusulfuron)、トリフルスルフロンメチル(triflusulfuron-methyl)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、
ジフルフェニカン(diflufenican)、ピコリナフェン(picolinafen)、ベフルブタミド(beflubutamid)、ノルフルラゾン(norflurazon)、フルリドン(fluridone)、フルロクロリドン(flurochloridone)、フルルタモン(flurtamone)、リミソキサフェン(rimisoxafen)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ビシクロピロン(bicyclopyrone)、メソトリオン(mesotrione)、スルコトリオン(sulcotrione)、テフリルトリオン(tefuryltrione)、テンボトリオン(tembotrione)、イソキサクロルトール(isoxachlortole)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピラゾリネート(pyrazolynate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、トプラメゾン(topramezone)、トルピラレート(tolpyralate)、ランコトリオンナトリウム塩(lancotrione-sodium)、フルポキサム(flupoxam)、アミカルバゾン(amicarbazone)、ベンカルバゾン(bencarbazone)、フルカルバゾン(flucarbazone)、フルカルバゾンナトリウム塩(flucarbazone-sodium)、イプフェンカルバゾン(ipfencarbazone)、プロポキシカルバゾン(propoxycarbazone)、プロポキシカルバゾンナトリウム塩(propoxycarbazone-sodium)、チエンカルバゾン(thiencarbazone)、チエンカルバゾンメチル(thiencarbazone-methyl)、クロランスラム(cloransulam)、クロランスラムメチル(cloransulam-methyl)、ジクロスラム(diclosulam)、フロラスラム(florasulam)、フルメトスラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、ペノキススラム(penoxsulam)、ピロキシスラム(pyroxsulam)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザメタベンズメチル(imazamethabenz-methyl)、イマザモックス(imazamox)、イマザモックスアンモニウム塩(imazamox-ammonium)、イマザピック(imazapic)、イマザピックアンモニウム塩(imazapic-ammonium)、イマザピル(imazapyr)、イマザピルアンモニウム塩(imazapyr-ammonium)、イマザキン(imazaquin)、イマザキンアンモニウム塩(imazaquin-ammonium)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマゼタピルアンモニウム塩(imazethapyr-ammonium)、クロジナホップ(clodinafop)、クロジナホッププロパルギル(clodinafop-propargyl)、シハロホップ(cyhalofop)、シハロホップブチル(cyhalofop-butyl)、ジクロホップ(diclofop)、ジクロホップメチル(diclofop-methyl)、フェノキサプロップ(fenoxaprop)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、フェノキサプロップP(fenoxaprop-P)、フェノキサプロップPエチル(fenoxaprop-P-ethyl)、フルアジホップ(fluazifop)、フルアジホップブチル(fluazifop-butyl)、フルアジホップP(fluazifop-P)、フルアジホップPブチル(fluazifop-P-butyl)、ハロキシホップ(haloxyfop)、ハロキシホップメチル(haloxyfop-methyl)、ハロキシホップP(haloxyfop-P)、ハロキシホップPメチル(haloxyfop-P-methyl)、メタミホップ(metamifop)、プロパキザホップ(propaquizafop)、キザロホップ(quizalofop)、キザロホップエチル(quizalofop-ethyl)、キザロホップP(quizalofop-P)、キザロホップPエチル(quizalofop-P-ethyl)、アロキシジム(alloxydim)、クレトジム(clethodim)、セトキシジム(sethoxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、ピノキサデン(pinoxaden)、フェノキサスルホン(fenoxasulfone)、グルホシネート(glufosinate)、グルホシネートアンモニウム塩(glufosinate-ammonium)、グルホシネートP(glufosinate-P)、グルホシネートPナトリウム塩(glufosinate-P-sodium)、ビアラホス(bialafos)、アニロホス(anilofos)、ベンスリド(bensulide)、ブタミホス(butamifos)、パラコート(paraquat)、パラコートジクロリド(paraquat-dichloride)、ジクワット(diquat)、ジクワットジブロミド(diquat-dibromide)、ハローキシフェン(halauxifen)、ハローキシフェンメチル(halauxifen-methyl)、フロルピローキシフェン(florpyrauxifen)、フロルピローキシフェンベンジル(florpyrauxifen-benzyl)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac-pentyl)、ホメサフェンナトリウム塩(fomesafen-sodium)、ラクトフェン(lactofen)、アシフルオルフェンナトリウム塩(acifluorfen-sodium)、アクロニフェン(aclonifen)、ビフェノックス(bifenox)、クロメトキシフェン(chlomethoxyfen)、クロルニトロフェン(chlornitrofen)、エトキシフェンエチル(ethoxyfen-ethyl)、フルオロジフェン(fluorodifen)、フルオログリコフェンエチル(fluoroglycofen-ethyl)、フルオロニトロフェン(fluoronitrofen)、ハロサフェン(halosafen)、ニトロフェン(nitrofen)、ニトロフルオルフェン(nitrofluorfen)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、シニドンエチル(cinidon-ethyl)、プロフルアゾル(profluazol)、ピラクロニル(pyraclonil)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazone)、ペントキサゾン(pentoxazone)、フルアゾレート(fluazolate)、ピラフルフェンエチル(pyraflufen-ethyl)、ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ブタフェナシル(butafenacil)、フルチアセットメチル(fluthiacet-methyl)、チジアジミン(thidiazimin)、アザフェニジン(azafenidin)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazone-ethyl)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、フルフェンピルエチル(flufenpyr-ethyl)、フルミオキサジン、サフルフェナシル、チアフェナシル、トリフルジモキサジン(3S,4S)-N-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキサミド、4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)-2-ピリジンカルボン酸及びその塩、ビクスロゾン(bixlozone)、シクロピラニル(cyclopyranil)、フェンキノトリオン(fenquinotrione)、シクロピリモレート(cyclopyrimorate)及びテトフルピロリメット(tetflupyrolimet)。

【0075】

エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとに加えて、本発明組成物に含まれていてもよい除草剤、または本発明方法においてエピリフェナシルとメトプロキシビシクロンと併用してもよい除草剤としては、特にグリホサートカリウム塩、グリホサートグアニジン塩、グリホサートジメチルアミン塩、グリホサートモノエタノールアミン塩、グルホシネートアンモニウム塩、グリホサートイソプロピルアンモニウム塩、ジフルフェニカン、リミソキサフェン、イカフォリンメチル、ピロキサスルホン、ジカンバジグリコールアミン塩、ジカンバBAPMA塩、ジカンバTBA塩、ジカンバTBP塩、フルミクロラックペンチル、クレトジム、ラクトフェン、Sメトラクロール、メトリブジン、フルフェナセット、ニコスルフロン、リムスルフロン、アセトクロール、メソトリオン、イソキサフルトール、クロリムロンエチル、チフェンスルフロンメチル、クロランスラムメチル、イマゼタピルアンモニウム塩が好ましい。

【0076】

本発明組成物が、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンとに加えて、さらに別の除草剤を含んでいる、或いは、本発明方法において、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンに加えて、別の除草剤を併用する場合、エピリフェナシルと別の除草剤との重量比は、通常、1:0.01から1:1000の範囲であり、好ましくは、1:0.1から1:300の範囲である。エピリフェナシルと別の除草剤の比率の具体的な例としては、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:15、1:20、1:25、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、1:100、1:150、1:200及び1:250が挙げられる。本明細書において、除草剤の有効成分が塩またはエステルである場合(例えばグリホサートカリウム塩、グリホサートモノエタノールアミン塩)、特に断りがない限り、その重量は酸当量を意味する。

【0077】

エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンと1種以上の別の除草剤とを併用する上でさらに好ましい具体的組み合わせを以下に挙げる。この段落において括弧内の数字は好ましい施用量(g/ha)を表す。
エピリフェナシル(20)+メトプロキシビシクロン(60, 100)
エピリフェナシル(20)+メトプロキシビシクロン(60, 100)+グリホサートカリウム塩(1080)
エピリフェナシル(20)+メトプロキシビシクロン(60, 100)+フルミオキサジン(75)
エピリフェナシル(20)+メトプロキシビシクロン(60, 100)+イマゼタピル(105)
エピリフェナシル(20)+メトプロキシビシクロン(60, 100)+フルロキシピルメプチル(400)
エピリフェナシル(20)+メトプロキシビシクロン(60, 100)+クレトジム(100)
エピリフェナシル(20)+メトプロキシビシクロン(60, 100)+Sメトラクロール(864)
エピリフェナシル(20)+メトプロキシビシクロン(60, 100)+フルミオキサジン(75)+グリホサートカリウム塩(1080)
エピリフェナシル(20)+メトプロキシビシクロン(60, 100)+イマゼタピル(105)+グリホサートカリウム塩(1080)
エピリフェナシル(20)+メトプロキシビシクロン(60, 100)+フルロキシピルメプチル(400)+グリホサートカリウム塩(1080)
エピリフェナシル(20)+メトプロキシビシクロン(30, 50)+クレトジム(100)+グリホサートカリウム塩(1080)
エピリフェナシル(20)+メトプロキシビシクロン(60, 100)+Sメトラクロール(864)+グリホサートカリウム塩(1080)

【0078】

本発明における作物の栽培では、一般的な作物栽培における植物栄養学的管理を行うことができる。施肥体系はPrecision Agricultureに基づくものであってもよいし、慣行の均一なものでもよい。また、窒素固定細菌や菌根菌を種子処理と併用して接種することもできる。

【0079】

次に製剤例を示す。
製剤例1
エピリフェナシル5グラム、メトプロキシビシクロン25グラム、Phenylsulfonat CAL(ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム70%とイソブタノール30%の混合物、Clariant社製)5.55グラム、Emulsogen TS290(ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、Clariant社製)5.55グラム、Aromatic 200ND Fluid(芳香族炭化水素として主にC10-C13アルキルナフタレン、Exxon Mobile Chemical社製)58.9グラムをよく混合して、およそ100mlの液体製剤を得る。
製剤例2
エピリフェナシル2グラム、メトプロキシビシクロン6グラム、Phenylsulfonat CAL(ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム70%とイソブタノール30%の混合物、Clariant社製)7.65グラム、Emulsogen TS290(ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、Clariant社製)7.65グラム、Aromatic 200ND Fluid(芳香族炭化水素として主にC10-C13アルキルナフタレン、Exxon Mobile Chemical社製)76.7グラムをよく混合して、およそ100mlの液体製剤を得る。
製剤例3
エピリフェナシル4グラム、メトプロキシビシクロン20グラム、ソルポール2680X(ソルポール2680(非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との混合物)をキシレンで80重量%に希釈した製品、東邦化学社製)5グラム、シクロヘキサノン71グラムをよく混合して、およそ100mlの液体製剤を得る。
製剤例4
エピリフェナシル1グラム、メトプロキシビシクロン4グラム、ソルポール2680X(ソルポール2680(非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との混合物)をキシレンで80重量%に希釈した製品、東邦化学社製)5グラム、シクロヘキサノン90グラムをよく混合して、およそ100mlの液体製剤を得る。

【実施例0080】

以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

【0081】

まず、以下の実施例で示す除草効果及び作物に対する薬害の評価基準を示す。
[除草効果及び作物に対する薬害]
除草効果の評価は、調査時の供試雑草の出芽または生育の状態が無処理のそれと比較して違いが全くないか、ほとんど違いがないものを「0」とし、供試雑草が完全枯死または出芽もしくは生育が完全に抑制されているものを「100」として、0~100に区分する。
作物に対する薬害の評価は、薬害がほとんど認められない場合は「無害」、軽度の薬害が認められる場合は「小」、中程度の薬害が認められる場合は「中」、強度の薬害が認められる場合は「大」で示される。

【0082】

実施例1
前作の収穫以降、耕起をしていない圃場(グリホサート抵抗性ススキメヒシバおよびヒロハフタバムグラが発生している、または発生する)において、製剤例1の本発明組成物を、展着剤(Iharol Gold)を0.5%(v/v)含む水で希釈して調製した散布液を、190L/haの散布液量でブームスプレイヤーを用いて面的に圃場に処理する。その際、本発明組成物は、生育中の当該雑草に対しては茎葉処理され、未出芽の当該雑草に対しては土壌処理される。処理当日から5日後に、同圃場にダイズの種子を播種する。処理25日後(播種20日後)に、優れた除草効果が確認される。一方、ダイズに対しては無害が確認される。
実施例2
プラスチックポットに土壌を詰め、ネズミムギ、イヌビエ、及びPPO阻害剤抵抗性ウォーターヘンプを播種した。温室で育成し、前記雑草の草丈がそれぞれ、20cm、30cm、及び15cmとなったところで、エピリフェナシル乳剤(5gのエピリフェナシル、7gのPhenylsulfonat CAL、7gのEmulsogen TS290、及び81gのAromatic 200ND Fluidをよく混合して得た)およびメトプロキシビシクロン乳剤(5gのメトプロキシビシクロン、7gのPhenylsulfonat CAL、7gのEmulsogen TS290、及び81gのAromatic 200ND Fluidをよく混合して得た)の一方及び双方の所定量をそれぞれ、Agri-Dexを1%(v/v)含む水で希釈し、散布機で上方から均一に200L/haの散布液量となるように茎葉処理した。処理3週間後に全体的な除草効果を調査した。結果を表1に示す。
なお、エピリフェナシルとメトプロキシビシクロンを混用した場合の除草効果の期待値は、それぞれの単用の除草効果(AまたはBの値)の結果から、コルビーの式((期待値)=100-(100-A)×(100-B)/100)により求めた。

表1

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